韓国の自殺率は経済協力開発機構(OECD)加盟国で最悪だ。
一昨年、2位になったのは、自殺率が韓国を上回るリトアニアがOECDに加盟したためだ。

ところが昨年、韓国はリトアニアを抑えて再び自殺率1位になった。
人口10万人当たりの自殺者数が韓国は26.6人で、OECD平均(11.5人)の2倍をはるかに超える。

昨年だけで1万3670人が自ら命を絶った。一日当たり平均37.5人なので、38分間に1人の割合で最悪の選択をしているということだ。

世界で韓国より自殺率が高い国は10カ国前後で、ほとんど名前を耳にしないような国々だ。
昨年、韓国の自殺率が10%ほど増えたのは「模倣効果」のためだろうと韓国保健福祉部では分析している。

2017年末から有名人の自殺が相次ぎ、そのたびに自殺件数も増えているそうだ。
事実、2017年9月に小説家でもある馬光洙(マ・グァンス)元延世大学教授が自殺して以降、男性アイドルグループSHINeeのメンバー・ジョンヒョンさん、
政治家の魯会燦(ノ・フェチャン)氏、タレントのチョ・ミンギさんらが相次いで自ら命を絶っている。

先月、女性アイドルグループf(x)のメンバーだったソルリさんが自ら命を絶ったのに続き、
ソルリさんの親友でKARAの元メンバー、ク・ハラさんが自宅で死去しているのが24日、発見された。

ソルリさんは25歳、ク・ハラさんは28歳で、最高の人気を享受したトップアイドルだった。
2人ともインターネット上のアンチコメントにさいなまれ、私生活で問題を抱えていたというが、公開された遺書がなく、実際の理由は分かっていない。
前日までいつもどおりソーシャル・メディアにメッセージや写真を投稿していた若い芸能人の突然の悲報に驚き、当惑する。

テレビで明るい姿だけを見せていた芸能人の悲劇的な選択は、一般の人々に大きな影響を与える。
人気女優だった崔真実(チェ・ジンシル)さんが2008年、その弟で俳優の崔真永(チェ・ジニョン)さんが
2010年に自ら命を絶った時、人々は大きな衝撃を受けた。

2人の死には2年という間隔があったが、今回の事件はわずか1カ月あまり後のことだった。
有名人がこの世を去ると同年代の人々が影響を受ける、いわゆる「ウェルテル効果」を心配せずにはいられない。
香港の俳優レスリー・チャンさんが高層ビルから飛び降りた時は9時間にファン6人が後を追った。

韓国が「自殺率1位の国」という汚名をそそぐには、自殺に対する社会的認識が変わらなければならない。
韓国保健福祉部によると、「自殺は苦痛を受けている状況から抜け出すための選択」という肯定的な認識がこれまでよりも増えており、自殺を拒否する姿勢は減っているという。

人生を自ら放棄することがどれだけ悪い選択であり、社会に悪影響を与えるのか、子どものころから教育しなければならない。
自殺後に美化されたり、ひいては英雄視されたりする社会的風土では自殺は防げない。

有名人の自殺をめぐって「かわいそうだ」というニュースばかり競い合うように発信するメディアも問題だ。
http://ekr.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/11/26/2019112680094.html