2019年12月13日 8時47分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191213/k10012213411000.html

ミャンマー国内の少数派、ロヒンギャの人たちに対する迫害について、政府の責任を問う国際司法裁判所の審理は12日、原告と被告の双方が、改めて主張を展開して終了しました。原告側が、迫害をいち早く止めるためとして裁判所に求めている暫定的な指示についての判断は、来月にも示される見通しです。

この裁判は、ミャンマーのイスラム教徒の少数派、ロヒンギャに対する迫害が大量虐殺などを禁じたジェノサイド条約に違反しているとして、イスラム教徒の多い国や地域を代表して、西アフリカのガンビアがミャンマー政府の責任を問う訴えを起こしたものです。

オランダのハーグにある国際司法裁判所では、3日間の審理の最終日となる12日、原告と被告の双方が改めて主張を展開しました。

原告のガンビア側は、前日に行われたミャンマーの反論について、子どもや女性までもが凄惨(せいさん)極まる殺され方をしたことについて、何ら説明がなかったと指摘しました。

一方、ミャンマー側は、アウン・サン・スー・チー国家顧問が発言し、「ようやく信頼を築き始めたばかりの社会に疑いと不満の種をまくような動きを進めることは民族間の融和を破壊する」として、国際的な司法の介入を拒否する考えを改めて示しました。

今回の裁判では、原告側が、迫害をいち早く止めるためとして裁判所に求めている暫定的な指示についての判断が来月にも示される見通しです。

ただ、ジェノサイド条約に違反しているかどうかについては、さらに双方の主張を積み重ねる必要があり、判断が出るまでには年単位の時間がかかると見られています。