【北京=西見由章】中国国家衛生健康委員会は1日、新型コロナウイルスによる肺炎の感染者が中国本土で1万1791人に上ったと発表した。うち死者は259人、重症者は1795人。中国本土の感染者は、当局が原因不明の肺炎の発生を昨年末に公表してから1カ月で1万人を超えた。

 人数はいずれも1日午前0時(日本時間同1時)時点。感染者は前日から2102人、死者は46人それぞれ増え、増加のペースは加速している。
 中国湖北省武漢市のトップ、馬国強党委書記は31日夜に放映された国営中央テレビのインタビューで、新型肺炎が発生した当時の初動に触れ「もし早く厳格な予防・管理措置をとっていれば結果は現在より良いものになっていただろう」と自責の念を示した。
 一方、中国外務省は同日夜、米国が中国全土への渡航中止勧告を出したことについて「率先して悪い前例をつくった。本当に薄情だ」と批判する報道官談話を発表した。談話は、ロス米商務長官が新型肺炎を機に「北米に雇用が戻る動きが加速する」と発言したり、米高官が中国側の対応への不満を漏らしたりしたことを「非友好的な言説」と表現。「困難な時こそ人の本心がわかる。米側の言行は事実に合わず時宜にかなわない」と不快感を示した。

https://www.sankei.com/life/news/200201/lif2002010015-n1.html