(台北中央社)新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で隔離状態を余儀なくされている台湾人乗船者から台湾の政府に助けを求める声が上がっている件で、中央感染症指揮センターの指揮官を務める陳時中衛生福利部長(保健相)は、どのように支援するか日本側と協議中だと説明した。

同船には約20人の台湾人が乗っており、台湾の政府に対し、帰国の手配や持病の常備薬の提供などを求めている。また、日本政府に対しては、全員にウイルス検査を実施するよう要求している。

10日に中央社の電話取材に応じた乗客の台湾人男性は、同乗している80代の父親のせきの症状が出ているが、発熱がないためウイルス検査をしてもらえないと訴えた。10日夜になって、やっと検査を受けることができたという。男性は蔡英文総統宛てに書いた手紙を公開。「太陽の光も新鮮な空気もない個室で多くは望みません。先に父を外に出してください」とつづった。別の男性も蔡総統への手紙を記し、自身は障害者だとして救出を求めた。

総統府の丁允恭報道官は11日、蔡総統は事態について知っているとし、さまざまなルートを通じて同船の状況を把握しているとコメントした。

外交部(外務省)は、日本の各方面と積極的に調整を図っているとし、必要なサポートを提供する姿勢を示した。台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)は、専門の対応チームを設置。日本側と密に連絡を取り合っているという。

(葉素萍、陳韻聿、楊明珠/編集:楊千慧)

http://japan.cna.com.tw/news/apol/202002110006.aspx
中央社フォーカス台湾 2020/02/11 18:13

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陳時中・衛生福利部長