新型コロナウイルスの感染で、中国の北京市内では、マスクをしていない人の姿は、まったく見られなくなりました。

山口記者「北京では、スーパーなど、生活に密接に関わってくる場所でマスクをしないと、身柄を拘束される可能性があります。」

街角のあちこちで目に付く、「マスクをしなければ中に入れない」といった注意書き。
北京市は7日、人が密集する場所でマスクをせず、係員の指示に従わない場合、警察の取り締まりを受けると通知しました。
中国人「マスクをしていないと外出もできません。」

中国の14億人にとって、マスクは、感染リスクだけでなく、拘束されるリスクも防ぐものになっているのです。

このため、マスクをめぐるトラブルは急増。マスクの値段を高く吊り上げたり、偽物のマスクを製造・販売したりする犯罪が多発。配達中に箱が破られ、中のマスクが奪われるというケースもあります。

春節連休が終わり、中国政府は、18日までの間におよそ1億6,000万人が、職場復帰のために移動するとの見通しを明らかにしました。

マスクが手に入らない人たちは、オリジナルマスクを考案するなど、自衛策に乗りだす人たちも出てきました。

マスクが無ければ企業活動にも支障をきたす北京。そこで働く日本人もマスクを確保するのに必死です。

北京市内の日本料理店。店内は、客ではなく、大量のマスクで埋め尽くされていました。

谷岡さん「官から官へのルートだとマスクが(一般の人たちに)届かず、民間から官へ、というのも届かない、民間から民間へという手作業で渡していくしかない。」

北京に住んで10年を迎える谷岡さん。北京で働く日本人や医療従事者たちのために、個人でできる限りの支援をしようと決めました。
日本に一時帰国し、わずか10日の間に、取引先の業者など、独自のルートで4万枚を超すマスクや消毒液などを調達。

そして北京に戻り、向かった先は、市内の医療施設です。

谷岡さん「これは日本のマスクです。1,200個のアイガードと1,000枚のマスクです。」
病院関係者「ありがとうございます!」

病院関係者「こうした医療物資は非常に不足しています。日本の友人からのとてもあたたかい心に感激しました」

マスクの入った段ボールには漢詩「山川異域 風月同天、 一方有難 八方支援」(住む場所は異なっても風月はつながっている。一方で困難があれば周りが支援する)の文字が書かれています。
谷岡さんは、新型肺炎の蔓延が続く限り、今後も、医療機関や一般の人たちに配布していくといいます。

谷岡さん「世界で一番大変なのは中国なので、中国の現場に支援するというのが人道的には正しいと思うし、中国支援の風を起こして一刻も早くこの病気が世界から無くなるようにしたい」

テレ東NEWS
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200214-00010001-tvtnews-int

2/14(金) 18:12配信