(台北中央社)米国防総省で昨年末まで国防次官補(インド太平洋安全保障担当)を務めたランドール・シュライバー氏が19日、台湾は米国のインド太平洋戦略の要だと述べ、地域内の主要国家との関係強化や台湾の国際空間開拓などについて、米国がサポートできるとの見解を示した。

親台派として知られるシュライバー氏。現在は米シンクタンク「プロジェクト2049研究所」の会長を務める。17日に訪台。19日は台湾のシンクタンク「国防安全研究院」の招きに応じ、米台関係やインド太平洋地域の安全保障強化などをテーマに台北市内で講演した。

シュライバー氏は、自由で開かれたインド太平洋戦略を推進する上で、台湾とのパートナーシップ強化や台湾の安全保障、自己防衛能力強化を重視する米国の姿勢を強調。その上で、米中は主権や国際法、自由・平等・互恵などに対する姿勢を巡って価値観の争いをしていると指摘し、強権体制の中国が規範となればこれらの価値が脅かされると警戒感をあらわにした。

また、米台の協力は2者間にとどまらないとし、台湾が日本やオーストラリア、東南アジア、南アジアなどとの「多角的」な関係を形成するために米国が橋渡し役を担えると述べ、台湾と地域の主要国家の関係強化の重要性を指摘した。

台湾の国際空間開拓に関しては、米台が近年立ち上げた、世界や地域共通の課題について議論する「グローバル協力訓練枠組み」(GCTF)を例に挙げ、新たな国際機関やプラットフォームづくりを提案した。

このほか、米台間の貿易関係にも言及。2016年10月以降中断されていた貿易投資枠組み協定(TIFA)協議の再開や相互貿易協定(BTA)に向けたより積極的な取り組みなどを含め、さらなる強化が必要だとした。

シュライバー氏の海外訪問は退官後初。台湾には21日まで滞在する予定。

(陳韻聿/編集:塚越西穂)

http://japan.cna.com.tw/news/apol/202002200007.aspx
中央社フォーカス台湾 2020/02/20 17:44

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台北で講演するシュライバー氏