|悪い国ではなく、病んだ国だった
|イ・スンチョル著、行星B出版

(写真)
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▲ 日本の海上自衛隊が東京の朝霞駐屯地で、査閲行事を行っている様子。日本は軍国主義の象徴である戦犯旗(旭日記)を掲げ、軍事大国化の野望をあらわにしている。
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世界経済を牛耳る経済大国、他人を配慮して職人精神が徹する先進国、革新よりも改善を好む習性、既存の秩序を変えることに対する閉鎖的な姿勢、利益と自尊心を守るための企業間談合、偏向した情報で嫌韓感情を煽り立てるメディア・・・。日本の現状である。

最近のコロナ19の事態に右往左往しながら対応する態度や、ウリナラ(我が国)対して得にもならない経済制裁措置を取った事例を見れば、日本という国を非常に理解し難い。ただ、日本がなぜこのように『おかしくなった』のかについて、我々はどの程度分かっているのだろうか。

実際に日本では、社会の非合理かつ不条理な面に対しても、これを正さなければなければならないという声はなく、出たとしても真剣に議論されない。誰もが分かる問題点を全く知らなかったり、知っていてもお互いが隠蔽する社会なのである。

『悪い国ではなく病んだ国だった(行星B)』は、日本を『悪い国』へと仕立てる、現代の日本が病んでいる慢性的な『病気』について述べる本である。

この本で懸念されている現実は、集団に埋没して何かがずれていることを自覚できない個人が、今の日本を導いているということである。ある世論調査では、40%以上の若者がこの国に住む自身について、『希望がない』と答えた結果は決して偶然ではない。

このような結果を生み出す、変化を恐れて社会の各方面で現状維持に固執して、前に進めない習慣性に染まった現代日本の属性を、この本で新たに定義した概念が『自分束縛主義』である。

この本が扱う9つのキーワード(排除社会、集団社会、抑圧社会、自分束縛社会、陥没社会、豪族社会、宗教社会、慣例社会、自滅社会)は、『自分束縛主義』という一つの概念で帰結される。

『自分束縛主義』は、著者が長年の取材と探求を通じて割り出した概念である。過去に日本が『縮小志向社会』、『安全社会』などで規定されたことはあるが、このようなアプローチはこの本でしか見られない独創的な現代日本分析論だと言える。

著者は日本特派員として、東京大学の研究員として在職した日本の専門家である。自分の足で直接日本の各地、各界各層の人物を取材した結実が、この本にそのまま溶け込んでている。9つのキーワードを基に、『自分束縛主義』という新たな概念を生み出したことも、現場取材という揺るがない基礎があったから可能となった。

この本は一つの国家に対する既存の評価がいつになく揺らいでいるこの時点で、『病』が『悪』に、『苦痛』が『悪』に変化して行く過程を追跡して、21世紀の日本の秘密の深層を暴く。

キム・セホン記者

ソース:ストレートニュース(韓国語)
http://www.straightnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=70542