人民銀行当局者、「可能性は低いが“大恐慌”級の危機も排除できない」 
「新型コロナ統制不能、実物経済悪化、突発的金融危機が重なる可能性も」 
民間専門家、「職場復帰できない労働者が2億500万人…摩擦的失業者」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡散傾向が統制不能なまま続けば、世界経済が“大恐慌”に次ぐ最悪の状況に陥る可能性があると、中国中央銀行の当局者が指摘した。公式集計とは異なり、中国の失業率が最大25%を上回るとの推定が金融界から出てくるなど、新型コロナが経済全般に及ぼす影響に対する警告が強まっている。

 <サウスチャイナ・モーニングポスト>は6日、中国人民銀行の朱ケイ(ケイは手偏のない携)国際司長(局長)の話を引用し、「新型コロナウイルスの拡散を統制できない状況が続く中で、実物経済の悪化と突発的な金融危機が重なるならば、“大恐慌”級の状況が発生する可能性がある」と伝えた。

 これに先立って朱ケイ国際司長は1日、経済メディア<第一財経>への寄稿で「現在、市場が直面した最大の不確実性は、新型コロナウイルスの拡散であり、これは各国中央銀行の断固かつ強力な通貨政策をもってしても統制不可能だ」として「防疫のための対面接触遮断の経済的費用が深刻な状況であり、可能性は低いものの新型コロナが2008年の世界的金融危機を超えて“大恐慌”時に匹敵する水準に駆け上がりかねないことに備えなければならない」と指摘した。

 新型コロナの拡散とあいまって、世界的に“失業の恐怖”が高まっているなかで、中国の実質失業率は当局の公式発表値より4倍以上高いだろうとの金融界の分析も出てきた。深センワンジョン資産管理有限公司の劉陳杰チーフエコノミストは最近、経済メディア<財新>への寄稿で「中国国家統計局は1〜2月の失業率を6.2%(約2740万人)と発表したが、2億9千万人に及ぶ農民工(移住労働者)が統計から排除されるなどの限界がある」として「農民工をはじめ多くの労働者が新型コロナ防疫のための移動制限で職場に復帰できない点を考慮すれば、実質失業率ははるかに高いだろう」と伝えた。

 彼はさらに「大企業労働者500万人、中小企業労働者2000万人、サービス部門労働者1億8千万人など、職場に復帰できない約2億500万人の労働者が“摩擦的失業”状態にあると推定され、その場合に中国の実質失業率は25%を超えるだろう」とし「時間の経過によりこうした状況は自然に回復するだろうが、回復の速度と程度は新型コロナの世界的拡散状況によって変わるだろう」と指摘した。

北京/チョン・インファン特派員

http://japan.hani.co.kr/arti/international/36248.html
ハンギョレ 2020-04-06 22:13