本紙1面で報道された韓国最大の太陽光発電所「ソラシド太陽光団地」(全羅南道海南郡)の面積は158万平方メートル(約48万坪)に達する。干拓地に3440億ウォン(約308億円)かけて太陽光パネルを設置した韓国最大規模の太陽光発電所で、先月27日から商業運転に入った。ところが、あきれたことに太陽電池パネルの原料である太陽電池(セル)がすべて中国製だという。中国の低価格物量攻勢で、韓国の太陽光基礎素材メーカーが次々とつぶれているというニュースはたびたび報道されているが、韓国最大の太陽光団地に設置されている太陽電池の中に国産品が1つもないというのは衝撃的だ。韓国政府は「原子力発電産業を放棄し、太陽光・風力で電力を供給する」と言ったが、中国企業ばかり喜ばせたということだ。国民の70%が原子力エネルギー利用に賛成で、ほとんどのエネルギー専門家が脱原発撤回を要求しても、びくともしなかった結果がこれだ。

 ソラシド太陽光団地の設備容量は98MW(メガワット)。韓国の太陽光利用率は約15%だ。ソラシド太陽光団地で1年間に生産できる電力は128GWh(ギガワット時)で、運営寿命が残っているのにもかかわらず、現政権が閉鎖した月城原子力発電所1号機の2015年1年間の発電量の4%にしかならない。ソラシド太陽光団地のような団地を25カ所作ってはじめて月城1号機の発電量になる。月城原発団地では廃炉になった月城1号機以外にも原発5基が稼働中だ。面積ではソラシド太陽光団地の1.6倍に過ぎないが、電力生産量は217倍だ。どちらが環境にやさしいと言えるだろうか。

 韓国電力公社から独立した発電会社「韓国水力原子力株式会社」は2018年6月15日、月城1号機の早期閉鎖を議決した。それから1カ月後、産業部原発産業局長や韓国水力原子力処長が出席した会議で、月城1号機の閉鎖により生じた同年4−6月期の損失額6134億ウォン(約550億円)を対外的にどのように説明するかをめぐって、対策会議をしていたことが明らかになった。産業部の局長は「『脱原発で赤字になったのではない』という論理を開発しなければならない」と要求したという。早期閉鎖を議決した韓国水力原子力取締役会の主な関心事は、民事上の責任を負ったり、刑事上の背任処罰は受けたりはしないか、一般国民に訴訟を起こされないか、ということだった。大統領が自ら害をもたらすような脱原発政策に固執しているさなかで、まったく荒唐無稽(むけい)なことが繰り広げられている。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2020040880003

2020/04/08 08:29