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■「これは個人の犯行や略奪ではなく組織的に行われた犯罪です」

米フィラデルフィア韓人会のシャロン・ファン会長は2日、本紙との電話インタビューで、ペンシルベニア州フィラデルフィア周辺で起こった韓人店舗での略奪についてこのように述べた。

デモ隊の単なる暴走で商品が盗まれるといったレベルではなく、トラックを使って組織的に商品を持ち去ったというのだ。

ミネソタ州ミネアポリスで白人警官の過剰防衛により黒人のジョージ・フロイドさんが死亡した事件をきっかけに、米全土で広がった抗議デモが一部地域で略奪や放火を起こしている。

略奪は韓人など特定の人種を狙って起こっているわけではないが、無差別に起こっているため韓人の被害も広がりつつある。

ペンシルベニア州韓人会と韓国外交部(省に相当)によると、これまでフィラデルフィア都心を中心に50以上の韓人商店が略奪された。美容用品(ビューティー・サプライ)の商店をはじめ、携帯電話販売店、薬局、クリーニング店などで特に被害が大きかった。

最も集中して略奪されたのは美容用品店で、これまでの集計で31カ所が被害に遭った。美容用品店は黒人がヘアスタイルを整えるためよく利用する店だ。

ファン会長は「これまで集計された美容用品店の被害額は1500万ドル(約16億円)と推定されている」と伝えた。暴徒らは電動のこぎりを使ってある薬局の鉄製のドアを破り、中に入って商品を盗み出したという。

ファン会長は「略奪が行われたのはほとんどが土曜日(5月30日)と日曜日(31日)夕方ごろのようだ」「州の警備隊がフィラデルフィア市内に入ったことで略奪は取りあえず収まった」と説明した。

略奪は都心の店にとどまらなかった。韓人タウンのあるフィラデルフィア5番街は都心から10キロ以上離れているが、この地域でも薬局やアクセサリー店などを中心に略奪が起こった。

専門の略奪犯らがデモとは関係なく市内をうろつき、商品を盗み出したのだ。韓人タウンには州の警備隊が来なかったため、韓人らは「いつまた略奪が繰り返されるか分からない」として不安におびえている。

今回の暴力デモによる米国国内での韓人商店の被害額は、時間が過ぎるほど拡大している。

外交部は3日、今回のデモによってフィラデルフィア(50件)、ミネアポリス(10件)、シカゴ(9件)、ローリー(5件)、ワシントンとアトランタ(各4件)などを中心に、韓人商店での被害が99件報告されたと明らかにした。人命被害は確認されていない。

イリノイ州シカゴで衣料品店を営むキム・ハクトンさんはこの日、米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)のインタビューで「(略奪犯たちは)SNS(会員制交流サイト)を使って連絡を取り合い、車ですぐに集まってきた」と説明した。

フロイドさんが死亡したミネソタ州のファン・ヒョスク韓人会長もメディアの取材に「店に30−40人がグループを作って入り込み、略奪と放火を繰り返した」と伝えた。


2020/06/04 12:01/朝鮮日報日本語版
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