北朝鮮軍に銃殺された韓国海洋水産部(省に相当)職員の兄のイ・レジンさん(55)が12日、ソウル駐在の国連人権事務所を再び訪問した。イ氏は今月6日に国連人権事務所を訪れ、弟が死亡した経緯などについて真相解明を求める要請書を提出していた。

 イ・レジンさんは面会を終えた後に本紙の電話取材に応じ「前回には聞けなかった部分を今回質問し、回答を得た」「国連のトマス・オヘア・キンタナ北朝鮮人権特別報告官が早ければ来週、今回の事件を国連に上程し、報告する考えを伝えてきた」と明らかにした。イ氏は「事案が報告されれば、南北に対して明確な立場を出すよう圧迫を加えることになるだろう」「韓国政府に対しては、徹底した捜査と遺族に対する報告の義務を、北朝鮮には無実の民間人虐殺に対する責任を追及する形で圧迫する効果がある」と説明した。

 イ氏はさらに、この日の面談で人権事務所に対し「国内で事件の捜査がどのように行われているかや、弟が死亡した経緯について私がこれまで確認し、推定してきた内容を伝えた」とした上で「国連は2時間ほどインタビューを行うなど、大きな関心を示した」とも明らかにした。

 人権事務所はイ氏との面会、韓国政府が把握している内容、北朝鮮の説明などに関する情報を収集し、この事案について分析する計画だという。ただし人権事務所はこの事案について直接調査する権限はないとの立場だ。人権事務所は「われわれは情報を収集・分析し各国政府に人権の側面から助言する役割を持っている」と説明した。

 国連人権事務所は今月6日、ツイッターでも「海洋水産部職員死亡の件について、韓国と北朝鮮は国際人権法に基づいて公正かつ実質的な捜査に直ちに着手し、捜査結果を公表しなければならない」と要求した。

ノ・ソクチョ記者 , アン・ヨン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2020/10/13 13:58
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