あなたは自分自身に満足しているだろうか? 日本の若者は「自己肯定感」が他の先進国と比べてかなり低いことが、内閣府の調査で分かっている。一般社団法人日本セルフエスティーム実践協会が、会社員に実施した調査結果でも、それが浮き彫りになったようだ。

 そこで同協会代表理事の小西ひとみ氏に、日本の会社員の現状や、一人でもできる自己肯定感を高める方法を聞いてみた。

◆「自分に満足していない人」が過半数

 2019年度の内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(日本、韓国、欧米5ケ国の13〜29歳、各国1000人に調査)で、日本人は「自分に満足している」と答えた人の割合が諸外国に比べて低かった。

 この現状を受け、日本セルフエスティーム実践協会では、日本の成人の自己肯定感に関する実態把握を目的に、会社員の自己肯定感についての調査を実施(対象:東京在住の30〜55歳の会社員111名。実施期間:2020年6月16日〜18日)。

 まず自分自身について満足していない人は「どちらかといえばそう思わない」(24.3%)と「そう思わない」(20.7%)を合わせて45.0%。理由を自由回答で求めたところ、「取り柄が何もないから」「ネガティブ思考だから」「劣等感」などが挙がった。

 さらに「自分自身に満足していない」50人に対して、「自分自身に満足するためには何が必要だと思いますか」と質問したところ、「自分に自信を持つこと」が60.0%で最多に。つまり自分に自信がない人が6割もいるわけだ。

◆諸外国に比べかなり低い「自己肯定感」

 当協会代表理事の小西氏は、この調査結果をどのように受け止めているのか。

「ある程度の予想はしていましたが、かなり低かったなというのが正直な印象です。
日本人の自己肯定感は諸外国に比べ低いと言われています。内閣府の調査で、『自分自身に満足している』(そう思う+どちらかといえばそう思う)人が、韓国では73.5%、スウェーデンは74.1%、そしてアメリカは86.9%と、自己肯定感がそれなりに高いのです。同じ質問に対して日本は45.1%に留まっています。

 グローバルな世界において対人関係を形成することは重要であり、その基となるのは自己肯定感が高さだと考えています。なぜなら自分に対する信頼がなければ、他者に対しても信頼は持てないからです。本調査の対象である会社員は社会での経験も積み重ねているので、若者よりは多少は自信を兼ね備えているだろうと考えていました。

 しかし、実際は諸外国の若者と比べても20ポイント以上低い結果になりました」

◆ネガティブ思考をポジティブ思考に

 自己肯定感を今からでも高める方法として、まずはどの分野で自己肯定感が低いのかを知る必要があるという。

「13〜29歳・男女に対する内閣府調査を参照すると、自分について誇れない要素として『容姿、運動能力、決断力、意志力』が挙げられています。自分に対して悲観的で、自分の能力に対する自信のなさが表れていると示唆できます。特に自己決定してきた経験が不足しているように感じました。

 自己肯定感を高めるには、認識の訓練を積み重ねて、ネガティブ思考をポジティブ思考に切り替えていくプロセスが必要です。何度も繰り返せば必ず自己肯定感は上がります。基本的には何事も『自己決定して、やる』ことが大事になります」

(以下略)

<取材・文/一ノ瀬聡子>

【小西 ひとみ】
外資系企業を経て現在、一般社団法人日本セルフエスティーム実践協会を設立し代表理事となる。「自分の力を最大限に引き出すために」をテーマに企業・行政でキャリア開発を目的とした研修、講演を行う。認定心理士、国家資格キャリアコンサルタント、日本心理学会会員

bizSPA!フレッシュ 11/1(日) 15:46
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