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<韓国は、新型コロナ危機による外貨流出とウォン安に備えるため信用力の高い日本との通貨スワップも希望したが、元徴用工の問題等もあり日本政府の反応は冷たかった>

互いの経済のためにも、日韓関係の突破口はないものか MicroStockHub-iStock.

韓国銀行(韓国の中央銀行)は2020年 12月17日、アメリカの米連邦準備理事会(FRB)と2020年3月に締結した600億ドル規模の通貨スワップ協定(以下、通貨スワップ)を6カ月延長すると発表した。2020年 7月29日の1回目の延長発表以降の2回目の延長で、これによりアメリカとの通貨スワップの満了時期は2021年3月31日から2021年9月30日まで伸びることになった。【金明中・ニッセイ基礎研究所】

通貨スワップ協定とは、自国の通貨の暴落というような緊急事態、つまり通貨危機が発生した際に、あらかじめ協定を結んだ相手国との間で、自国通貨と引き換えに相手国の通貨を融通してもらうことである。

韓国政府は今までアメリカと2回通貨スワップを締結した。1回目はリーマン・ショックによるグローバル金融危機があった2008年10月で、金額は300億ドルだった。2008年のアメリカとの通貨スワップ締結は、韓国政府にとっては「千軍万馬」を得たようなことだった。信用格付がシングルAに過ぎなかった韓国がアメリカと通貨スワップを締結したことが、海外投資家等を安心させる要因として作用したからだ。実際、当時、アメリカと通貨スワップを締結した国は、EU、日本、スイス、カナダなど信用格付がすべてトリプルAの国ばかりだった。

<スワップで途上国支えたアメリカ>

韓国政府は当時1997年のアジア経済危機に比べて外貨準備高を多く保有していたものの、韓国の金融市場に対する海外投資家などの不安感は高まり、ウォン安は加速した。その結果2008年10月28日の為替レートは1ドル=1480ウォン(売買基準率)で、1997年のアジア通貨危機以来の安値を記録した。金融市場の不安を解消させることにおいてはアメリカとの通貨スワップが最も効果的な方法だった。

アメリカにとっても自国発の金融危機により、韓国などの新興国の景気が落ち込むことは望ましいことではなかった。新興国に対するアメリカ投資家の投資額が多いこと、新興国がアメリカの国債を持ち出して売り、ドルを確保しようとすることでアメリカの国債市場の不安定性が高まること、新興国の景気低迷がアメリカの景気をさらに悪化させる恐れがあることなどがその主な理由である。結局、アメリカ政府は韓国をはじめとするブラジル・シンガポール・メキシコを通貨スワップの対象国に追加した。2008年に締結された米韓通貨スワップは、その後2回延長され2010年2月に終了した。

アメリカとの2回目の通貨スワップは2020年3月19日に締結された。韓国政府が2008年以来、アメリカと2度目の「通貨スワップ」に積極的に動き出した理由は、新型コロナウイルスの影響によるウォン安ドル高の進行、株価の暴落等の金融市場の不安とドル資金の逼迫感を解消し、資金流出と通貨下落を防ぐためであった。


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