来年の新型コロナウイルスワクチン導入時期によっては経済損失が数百兆ウォンに達することもあるとの調査結果が出た。特に新型コロナウイルスワクチンの一般接種が4−6月期以降にずれ込み感染者数が減らなければ経済成長率がマイナス2〜マイナス8%まで落ち込みかねないという。

全国経済人連合会傘下の韓国経済研究院はこうした結果を盛り込んだ新型コロナウイルスワクチン導入遅延の経済的影響報告書を30日に発表した。韓国経済研究院はワクチン導入時期と新型コロナウイルスの感染拡大傾向が国内総生産(GDP)に及ぼす影響をシナリオごとに分析した。研究院は「デューク大学グローバル保健革新センターが運営するリサーチ専門機関の新型コロナウイルス見通しを参考にして実効再生産指数とワクチン導入時期によるシナリオを仮定した」と話した。

最も楽観的なシナリオは新型コロナウイルス感染者数が10−12月期水準の1日平均337人を維持し、2021年1−3月期にワクチンが導入されるというものだ。このシナリオで流れる場合、一般人を対象にしたワクチン接種が4−6月期に行われ、2022年7−9月期には新型コロナウイルスが終息するものと研究院は予想した。このように流れる場合、来年の経済成長率は3.4%を記録するものと研究院は予想した。

シナリオ1の「拡散」は1日平均新型コロナウイルス感染者が1200人に増加した状態で楽観シナリオと同じようにワクチン接種がなされることを仮定した。1−3月期にワクチンが導入され4−6月期に一般接種が始まるというものだ。研究院は「シナリオ1で流れる場合、来年の成長率は0%を記録する見通し」と予想した。

シナリオ2の「深刻」とシナリオ3の「非常に深刻」は拡散シナリオと比較して経済的打撃が大きい。シナリオ2の「深刻」は1日平均新型コロナウイルス感染者1500人を仮定した。来年4−6月期にワクチンが導入され、一般接種は7−9月期に始まるシナリオだ。この場合、来年の経済成長率はマイナス2.7%に落ちるものと研究院は予想した。2年連続マイナス成長を記録するということだ。

シナリオ3の「非常に深刻」は最悪の状況を仮定して作った。1日平均感染者が2500人に増加し、4−6月期と7−9月期にそれぞれワクチン導入と一般接種が始まるものと仮定した。この場合経済成長率はマイナス8.3%に落ち込む。

年末基準の新型コロナウイルス感染者発生は1日平均1000人水準だ。中央防疫対策本部は30日午前0時基準で新型コロナウイルスの新規感染者が1050人増えたと発表した。現在まではシナリオ1の状況だ。だが状況の悪化でシナリオ2あるいは3に進む場合、経済損失はどれだけになるのか。研究院はこれに対する答も出した。

同研究院のチョ・ギョンヨプ経済研究室長は、「シナリオ2、シナリオ3と、シナリオ1をそれぞれ比較すると、来年のGDP追加損失はシナリオ2で53兆ウォン、シナリオ3で230兆ウォンに達する。感染者増加傾向の中でワクチン導入の遅れはあらゆる経済主体の経済活動を制約し、経済システム全体に致命的になりかねない」と説明した。


https://news.yahoo.co.jp/articles/1b1f0f96f4bef6461634387ad404bda2d9071067