「クアッド」に英国参加を「日英同盟復活」と韓国紙は報道...... Stefan Rousseau/REUTERS
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<米国と日本、オーストラリア、インドの4カ国が形成する枠組み、通称Quad(クアッド)。参加に消極的な韓国に代わって、英国が参加する可能性が浮上した。その動向に韓国メディアが注目している...... >

米国のサリバン国家安保補佐官が1月31日、米国と日本、オーストラリア、インドの4カ国が形成する枠組み、通称Quad(クアッド)が、インド・太平洋政策の土台になるだろうと述べ、発展させる意向を示した。

クアッドはトランプ前政権が主導した中国を牽制する協議体で、2019年9月にニューヨークで第1回会合が開かれ、20年10月には東京で外相会合が開催された。

トランプ政権の政策を否定するバイデン政権が継承しない可能性が指摘されていたが、バイデン新大統領は28日の日米首脳電話会談で菅首相に継承すると伝えていた。

米国がクアッドを拡大させる意向を示すなか、参加に消極的な韓国に代わって、英国が参加する可能性が浮上した。一方、韓国の参加に対する圧力も強まると見られており、韓国メディアが注目している。

■消極的な韓国に代わり英国がクアッドに参加か

韓国中央日報系列の中央サンデーは、クアッドは、安倍晋三前首相が提案した中国を牽制するインド・太平洋戦略にトランプ前大統領が共感して発足した協議体であり、日米関係を重視するバイデン政権が継承したと分析する。バイデン政権は、クアッド初の首脳会談をオンラインで実施する調整に入ったという。

クアッド東京会議に先立つ昨年 9月16日、マーク・エスパー米国防長官が「米国と日本、オーストラリア、韓国、シンガポールなどを考えなければならない」と韓国を加えた「クアッド・プラス」構想を提唱した。

一方、当時の康京和韓国外交部長官は、韓国はクアッド・プラスに招待されていないとした上で、「他国の利益を排除するいかなることも良いアイデアではない」とクアッド参加を否定した。韓国は「軍事は米国、経済は中国」という二股外交を掲げており、中国を刺激するクアッドへの参加を避けた形だ。

クワッド参加に否定的な韓国に代えて英国が加わる可能性が浮上した。英国は、民主主義陣営10カ国が協力して中国に対抗する「D10」構想を提唱。今年、議長国を務める先進7カ国首脳会議(G7サミット)に韓国とオーストラリア、インドを招待すると明らかにし、クアッドに参加する意向を示した。

英国のクアッド参加意向に中国が反発。中国官営メディアの環球時報は「英国は太陽が沈まない帝国を持っていない」とし、「英国は軍艦クイーン・エリザベス号を南シナ海に配備すると伝えられ、香港特別自治区や新疆ウイグルなどの中国内政にも干渉している」と批判した。

2021年2月10日(水)17時40分
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