(写真)
https://www.nongmin.com/upload/bbs/202102/20210219235639276/20210219235639276.jpg
_______________________________________________________

ワールドカップといえば、もちろんサッカーを連想する。国際サッカー連盟(FIFA)が4年ごとに開催するワールドカップ大会が開催国と参加国はもちろん、全世界に経済・社会的に相当な影響を及ぼすからだ。したがって、ワールドカップに参加した全ての国は、予選を経て本選進出を決めただけでも国家的な慶事だと思う。本選進出の決定日を祭日に指定した国もあるほどだ。

このようなワールドカップ大会にイギリスは、イングランド・スコットランド・北アイルランド・ウェールズなど、4つチームが出場する。国別に1つの代表チームのみ出場するのが原則だが、イギリスだけは例外だ。FIFAがサッカー宗主国であるイギリスを、手厚く礼遇したことによる結果だ。

キムチもサッカーのようにワールドカップ大会ができて、国別に技量を競うと仮定してみよう。イギリスがサッカー宗主国であるように、我が国もキムチ宗主国だが、京義(キョンギ)・忠清(チュンチョン)・慶尚(キョンサン)・全羅(チョンラ)チームなど、複数のチームが出られるだろうか。 大会参加国が、ウリナラ(我が国)をキムチ宗主国として特別に礼遇すれば可能かも知れないが、残念ながら否定的な見解が上回る。

まずはウリナラがキムチ宗主国という点について、誰も異議をとなえられないようにきちんとした周辺整理ができていないことが問題だ。ウリたちのキムチは、2001年に国際食品規格委員会(CODEX)から国際標準として認められた。英文表記も『Kimchi』に決まった。

当時、日本は漬け野菜である『アサヂュケ(浅漬け)』を理由にキムチ宗主国の主張を展開したが、このような主張は根拠がないと国際機構が有権解釈を下だしたのである。

だがしかし、日本と中国の『キムチ挑発』は続いた。最近、中国の官営メディアである『環球時報』は、「漬け野菜である “泡菜(ぱおつぁい)” が国際標準化機構(ISO)から国際標準の認可を受けた」とし、中国がキムチ宗主国という主張を広げた。これに関連して日本のあるメディアも、「キムチは泡菜の派生型」とし、中国の肩を持つニュースを出している。さらに世界最大のポータルサイトである『クグル(Google)』は最近、キムチの元祖は中国と案内していたが、韓国国内のネチズンの抗議を受けて修正しちゃったりした。

日本と中国のこのような行為は、ウリたち自らが口実を提供したと言っても過言ではない。キムチに対するウリナラ政府の管理状況だけを見ても、非常に手緩いという印象を消すことができない。キムチの憲法に当たるキムチ産業振興法は、CODEX有権解釈が出てから約10年経った2011年7月に制定された。キムチ宗主国としての地位を確立するためのキムチ産業振興総合計画は、それからさらに7年経った2018年にようやく発表された。一般的な国家記念日すらキムチに対して指定していなかったが、昨年11月22日に第1回キムチの日の行事が行われることになった。

キムチの貿易の現況はさらに衝撃的だ。関税庁の統計を見れば、昨年ウリナラは39,748トンのキムチを輸出した。一方、輸入量は輸出量よりも約7倍も多い281,186トンにもなる。金額で見ても収入額(1億5243万ドル)が輸出額を上回った。

問題は、キムチの輸出額より輸入額のほうが多いという貿易赤字が昨年だけではなく、2010年から11年連続で続いているという点である。ウリたちが輸入するキムチはほぼ、驚くべきことに中国産だったのだ。

育ち盛りの世代に、正しいキムチの食習慣を育てられなかったことも、痛切な反省が必要な部分だ。 キムチより、チキンム(酢漬けの大根)やタンムヂ(たくあん)を好む小中高生が増えているという現役教師の言葉を、どう解釈すべきなのだろうか。さらに、非常識な女性を蔑むスラングの『キムチニョ(キムチ女)』が、若者の間で広く通用している現実は物悲しささえ感じる。

虎視眈々と、キムチ挑発の機会をうかがう日本と中国だけが、歓喜を味わっている。このままだと、本当にキムチワールドカップが開催された場合、ウリたちが宗主国の礼遇を受けるどころか、国際的に恥をかくのではないかという懸念が押し寄せてくる。

キム・グァンドン(取材副局長)

ソース:農民新聞(韓国語)
https://www.nongmin.com/opinion/OPP/SNE/IND/333941/view