【北京=三塚聖平】中国政府は9日までに、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の国内承認手続きを終えたと表明した。昨年11月に日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など15カ国が署名したが、中国は早期発効に向けて他の参加国にも国内手続きの加速を呼び掛けている。

 中国の王文濤商務相は全国人民代表大会(全人代)に合わせて行った8日の記者会見で、RCEPの正式承認を明らかにし、「協定がより早く発効すれば、各国国民がより恩恵を受けることができる」と述べた。RCEPについて「潜在力と活力に満ちた市場になる」と強調した。

 中国は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加意欲も表明し、既に一部の加盟国と非公式に接触している。対中強硬姿勢を示す米国との対立長期化が避けられない中で、中国は自国の影響が及ぶ経済圏を広げて「対中包囲網」を切り崩そうとしている。

 RCEPは、ASEAN10カ国と、それ以外の5カ国の、それぞれ過半数が批准すれば発効する。国内総生産(GDP)の合計、世界人口のそれぞれ約3割を占める巨大経済圏が誕生することになる。

産経ニュース 2021.3.9 23:44
https://www.sankei.com/world/news/210309/wor2103090017-n1.html

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中国の商務相、王文濤氏