この1年のパンデミック渦中、アメリカでのアジア系住民に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)や人種差別が大きく増加している。
 そしてこの数カ月、一連の暴行事件が起こったことで、セレブリティや活動家たちが全米の目に余る人種差別や攻撃に対して声をあげている。
 今回の社会問題を受けて、2021年3月30日、BTS(防弾少年団)がハッシュタグ「#StopAsianHate」と「#StopAAPIHate」をつけて、人種差別根絶を呼びかける声明をリリース。

メンバーはツイッターに、自分たちのプラットフォームをどのように使うべきか「慎重に議論し、熟考した」結果、非常に私的で親密な声明を発表するに至ったと書いた。

声明の中で彼らは、アジア人であることで偏見や差別を受けた経験について述べている。

「私たちは理由なき罵り言葉に耐え、見た目を嘲笑されました。なぜアジア人なのに英語を話すのかと聞かれたことさえあります」

「そのような理由で憎悪や暴行の的になる痛みは筆舌に尽くし難いものです。私たち自身の経験は、この数週間で起こった出来事と比べれば取るに足らないことです。しかし自分たちを無力に感じ、自尊心が削られるのに十分なものでした」

彼らは、事件を特定しなかったが「愛する人を亡くした方々に謹んで哀悼の意を表します」と書いた。

おそらく、3軒のマッサージ店で8人が射殺されたアトランタ銃撃事件を指しているものと思われる。8人のうち7人が女性で、そのほとんどがアジア人だった。

BTSの声明文は次の通り。

「私たちは、愛する人を亡くした方々に謹んで哀悼の意を表します。悲しみと怒りを感じています。私たちはアジア人であることで差別に直面した時のことを思い出します。

私たちは理由なき罵り言葉に耐え、見た目を嘲笑されました。アジア人なのになぜ英語を話すのかと聞かれたことさえあります。そのような理由で憎悪や暴行の的になることの痛みは、筆舌に尽くし難いものです。

私たち自身の経験はこの数週間で起こった事件に比べれば取るに足らないことです。しかし自分たちを無力に感じ、自尊心が削られるのに十分なものでした。

現在起こっていることを、アジア人である私たちのアイデンティティと切り離して考えることはできません。

この問題について慎重に議論し、どのようにメッセージを発信するべきかじっくり考えました。私たちが声を出して伝えなければいけないことは、はっきりしています。

私たちは人種差別に反対します。私たちは暴力を非難します。あなたと私、そして私たちにはみな、尊敬される権利があります。共に立ち上がりましょう」。

現時点で、BTSは多額の寄付についてはまだ何も発表していないが今後あるかもしれない。2020年6月には、BTSとそのレーベル、ビッグ・ヒット・エンターテインメントがブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter)に100万ドル(約1億円)を寄付している。

当時BTSはブラック・ライブズ・マターへの支援をツイート。今回の声明と同じように「私たちは人種差別に反対して立ち上がります。私たちは暴力を非難します。あなたと私、そして私たちにはみな、尊敬される権利があります。ともに立ち上がりましょう」と書いていた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a56917929328b6e40f770bb41f4d05f6e4402d56

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