瀋陽=平井良和2021年5月29日13時11分

 中国南部の雲南省で、アジアゾウの群れが生息地の北限を越えるような謎の北進を続けている。5月下旬にはこれまでゾウが現れたことがない街に入り込み、住民が避難する騒ぎも起きた。警察などがえさで誘導するなどして迂回(うかい)を促しつつ、経過を見守っている。

 中国メディアによると、同省シーサンパンナ・タイ族自治州のミャンマー国境近くの自然保護区にいた15頭ほどの群れが2020年春、突然北進を始めた。同年末には約400キロ離れた墨江ハニ族自治県に入り、北回帰線を越えた。同県に入るのは中国でゾウの生態観測が始まってから初めてで、現代の生息地域の北限を越えた可能性がある。付近でしばらく過ごしていたが、今年4月に再び北へ向けて歩き出し、5月下旬までに約100キロ進み、省都・昆明まで100キロほどに迫っている。

 人里近くの畑が踏み荒らされたり、トウモロコシが食べられたりする被害が出ている。人が近づけば興奮して人的被害につながる可能性があるため、地元の消防隊などは街や集落の入り口に車などの障害物を置くなどして、人のいない方向への誘導を続けている。
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