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 日本で製造したアストラゼネカのワクチンは、台湾に続きベトナムにも無償提供された。ベトナムはワクチン接種が遅れており、2021年6月に日本が提供した時点で接種率がわずか数%にとどまっていた。中国の動画サイト・西瓜視頻では4日、ある中国人が「ベトナム人が中国製ワクチンを受け入れなかった理由」を分析している。

 ワクチン外交を繰り広げている中国は、発展途上国を中心に自国のワクチンを広めている。しかし、日本も含め中国製を承認しない国はいくつもあり、ベトナムもその1つとなっていた。最終的にはベトナムは中国のワクチンを受け入れることになったが、中国が優先的にワクチン支援をすると表明していたASEAN諸国のなかで、最後まで受け入れなかった国として注目を集めていた。動画では、なぜベトナムがそれほどかたくなに中国製ワクチンを拒んでいたのかを分析している。

 理由は2つ考えられるという。1つは、ベトナムがコロナの抑え込みにかなり成功していたため「ワクチン接種の必要性を感じていなかったこと」だという。動画では「中国製ワクチンの質に問題があるわけでは決してない」と強調しているが、有効性に対する疑念の声が各地で出ているのは事実だ。2つ目は、歴史問題による「中国への偏見」のためだとした。ベトナム人の反中感情は、おそらく中国人が自覚しているよりもずっと強い。そのため、今回ワクチンが拒絶されたことを意外に感じる中国人は多かっただろう。

 いずれにしても、中国では助けてあげようと思ったベトナムに断られた、という認識が一般的なようだ。コメント欄には、「要らないならちょうど良い、羨ましがっていれば良い」、「いくらお金を積まれてもベトナムには売らない」といった腹立ちまぎれの意見が多かった。また、「日本と同じで米国の顔色をうかがっている」、「西洋のメンツを立てている」と、国際的な立場を気にしているという指摘もあった。

 さらに、冷静な意見もあり「買う、買わないは自分で選ぶことだ。無理強いするものではない」と理解を示す人や、ASEANの他国が受け入れても自分は受け入れない芯の強さを「骨がある」と感心する人もいた。また、かつてバイクなど劣悪な中国製品に痛い目に遭わされた経験から「中国製品は信じていないのだろう」という人もいたが、もしかするとこれが一番大きな理由なのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)