岸田文雄首相は、政府の宇宙開発戦略本部で2020年代後半には日本人宇宙飛行士の月面着陸を実現させると表明した。これに対し中国メディアの騰訊はこのほど、日本による月面着陸には多くの問題があると主張する記事を掲載した。

 記事はまず、米国や中国はすでに月面着陸を成功させた実力を持つと主張する一方、日本は今まで月面着陸を成功させたことはないと指摘した。中国も「有人月面着陸」を実現したことはないが、月面探査機「嫦娥」は月面着陸してサンプルリターンに成功している。

 では、日本はどのように有人月面着陸を成功させようとしているのだろうか。記事は、米国の「アルテミス計画」に乗っかって日本人宇宙飛行士を月に送る計画だと主張した。つまり、米国のロケットと設備を使って日本人を月に送ろうとしているのだと強調した。

 そのうえで、日本のこの計画にはいくつかの問題点があると分析した。それは「アルテミス計画はすでに遅れが出ている」ことだ。このため予定どおりに2020年代のうちに日本人を月に送れるかは不透明だとした。また、「米国が主導している」ので、急に計画が変更になる可能性を否定できず、日本は資金や技術だけ提供して日本人の月面着陸はかなわないこともあり得ると主張した。

 この点で中国は、すべてゼロから有人月面着陸に向けて独自で研究開発しているとし、時間がかかりながらも着実に計画は進んでおり、実現は時間の問題だと主張した。そして中国は月だけでなく火星へも有人着陸を実現させる日が必ずくると期待を示し、日本に対して強いライバル心をむき出しにして記事を結んだ。(編集担当:村山健二)


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