ウルグアイ代表戦は、韓国サッカーが世界の舞台でもう一段階生まれ変わることができるという確信を抱かせる試合となった。

韓国代表は11月24日(日本時間)、ドーハのエデュケーション・シティ・スタジアムで行われたカタールW杯グループH第1節でウルグアイと0-0で引き分けた。惜しくも勝利は逃したものの、格上と評価されたウルグアイと90分間攻守で互角に渡り合う名勝負を繰り広げた。

4年前の2018年ロシアW杯ではグループステージ最終節でドイツ代表を2-0で破った韓国代表。今回のウルグアイ戦を無失点で終えたことで、史上初めてW杯本大会で2試合連続無失点を達成した。

国外開催で初めてベスト16入りした2010年南アフリカW杯では、アルゼンチン代表に1-4で惨敗。2014年ブラジルW杯でもアルジェリア代表に2-4とまさかの大敗を喫した。

韓国は“サッカーの辺境”と呼ばれるアジアで唯一、10大会連続でW杯の舞台に出場しているが、常にその立場は“チャレンジャー”だった。ほとんど毎回の大会で、格上の対戦相手の攻撃に萎縮してしまうケースが多かった。

◆W杯の舞台で発揮した「4年間の真価」

しかし、今回のウルグアイ戦は、パウロ・ベント監督が4年かけて築いたビルドアップサッカーの真価をW杯本大会で見せつけた試合となった。

前線からビルドアップのエンジンの役割を担ったMFイ・ジェソン(30、マインツ)の活用法は、W杯アジア最終予選のアウェー・イラン代表戦で披露した戦術と似ている。

また、MFチョン・ウヨン(32、アル・サッド)が構えるアンカーは兼ねてから韓国の弱点と指摘されてきたが、この日はMFファン・インボム(26、オリンピアコス)の豊富な運動量を土台にシナジー効果を発揮した。

これだけでなく、DFキム・ミンジェ(26、ナポリ)が立ちはだかる最終ラインとの間隔も90分間安定的に維持しながら、挑戦的なビルドアップをすることができた。

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試合前、ウルグアイ主将ゴディンと握手するソン・フンミン

アジア勢はこれまで、欧州や南米と比べて個人戦術や守備の組織力が弱いという評価を常に受けてきた。だが、近年のW杯では一段階変わったパフォーマンスを見せつけている。

ロシアW杯でベスト16入りした日本代表も、当時コロンビア代表などの強豪相手に一歩も引かず、自分たちのサッカーで対抗し勝利の鼓を鳴らした。

今回のカタールW杯でも、中東のサウジアラビア代表が世界レベルのラインコントロールでアルゼンチン代表を2-1で撃沈。日本もドイツ代表相手に前半を1点ビハインドで折り返しながら、後半の戦術変更と交替策が的中して2-1で逆転勝利を収めた。

そして今回、韓国もウルグアイを相手に守備だけをするのではなく、4年間で完成させた自分たちのサッカーを駆使し、W杯本大会の歴史に新たな道しるべを書き記してみせた。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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