無人店舗でカップラーメンや水などを盗んだ50代の女性に警察が日用品を手渡したという出来事が伝えられた。この女性は精神障害により経済的な活動が難しく、生活苦から生計型の犯行を行った。

22日プサンジン(釜山鎮)警察署によると、警察は今月初め、釜山のある無人店舗において約10日間で16回、カップラーメンや水など計8万ウォン(約8200円)相当の日用品を盗んだ50代の女性を逮捕した。

当時、CCTV(防犯カメラ)には女性が夜中に無人店舗で辺りを見回しながらカップラーメンや水などを抱えて店を出る場面が捉えられていた。女性はしばらくためらってから会計台を通り過ぎ店から出た。このようにして10日間で16回の犯行を繰り返した。

調査の結果、女性と60代の夫は精神障害を持つ基礎生活受給者として補助金を受けていたが、経済的な活動が難しい状態だった。2人は旅館を改造した古いコシウォン(考試院/簡易住宅施設)の1.5坪ほどの小さな部屋に住んでいた。


警察などによると、検挙された当時、2人の部屋にはカップラーメンとわずかな米、水があった。食事をまともにとっていた痕跡は見られず、暖房が効いていないため部屋の床は氷のようだったという。身元を確認した警察は犯行を追及する前に、「部屋があまりにも寒いが、体は大丈夫ですか」と聞いた。

女性は警察に、「そのまま持って来てはいけないということはわかっていたが…お腹がすいて、会計をせずに持って来てしまい申し訳ない」という言葉を繰り返した。警察は調査を終えた後、夫婦を気の毒に思い日用品を手渡したという。

警察関係者は、「実際に被害が発生したため法的な手続きを踏まなければならない」としながらも、「住んでいる場所を見てあまりにも気の毒で、行政機関に連絡し犯罪に走らないよう支援を行うことにした」と明らかにした。

一方、こうした生計型の犯罪件数は毎年増加している。釜山警察庁によると、2019年の釜山全体の窃盗発生件数のうち生計型犯罪と推定される10万ウォン(約1万円)以下の少額窃盗の発生割合は26.7%を記録した。2020年には32.2%、昨年は36.9%と増加を続けている。
2022/12/22 11:43配信 Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 85
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