首都圏マカティ市の商業施設グロリエッタで18日、比日の友好促進イベント「ジャパンフィエスタ2023」が開催された。
通訳者そして歌手としても活躍する横川愛作さん、スタンダップコメディーなどに挑戦し続けているほりっこしさんによる
共同司会で、同イベントは和やかな雰囲気の中、幕を明けた。

 会場には明治アポロチョコやたこ焼きなどの日本食に加え、射的や型抜きを楽しむ人、日本の着物に身を包み
写真撮影をする人の姿も見受けられた。また舞台上では比人歌手のシャーラ・セリレスさんが日本のアニメ主題歌を
熱唱して場を盛り上げていた。

 越川和彦駐比日本国大使はオープニングで、「比日関係は新しい章に突入した。双方の観光業界を盛り上げるため
相互に連携していく」と表明した。またギブスをしながら現れたガルシア・フラスコ観光相は、ヒールを踏み外して負傷
したことを明かしながらも、「この負傷でさえ比日友好を育む同イベントに向かう足を止めることはなかった」と笑顔を見せた。

 同観光相は「日本にはフィリピン人が大好きな旅行商品がある。私自身も刺し身やお酒、桜のファン」と明かし
訪比についても「日本人を魅了するビーチや自然、ゴルフがある」と呼び掛けた。「相互関係の発展を願う」との気持ちも込めていた。

▽各出店ブースの狙い
 開場1時間でパンフレットが無くなったという日本政府観光局(JNTO)マニラ事務所の渡部誠所長は「コロナ禍はオンライン
でしか開催できず、今回リアルで開催できてうれしい。先日に開催した企業間商談会でもフィリピン市場に関心ある声が聞かれた。
自治体の参加も増え、比側の『行きたい』と日本側の『来てほしい』のマッチングを増やしていけたら」と語った。

 人だかりができていた札幌市のブース。札幌市経済観光局大村卓也さんは「コロナ禍前は直行便もあり、また映画『キタキタ』
などで札幌市の認知度が伸びていた矢先、コロナ禍になり観光客が激減。比は成長市場でもあるので、もう一度多くの比人に
来てほしい」と願いを込めた。「雪への憧れが強い比人へは連休もある12月がアピールポイントになる。12月の大通公園では
『雪?イルミネーション』を見ることができるのも札幌の大きな魅力」と付け加えた。

 長崎県観光連盟海外誘致部の一瀬文香主事は「2018年に長崎県のキリスト教関連遺産が世界遺産に登録され
カトリック教徒の多いフィリピン人を呼び込みたい」。「まずは神父さんを長崎へ招請できたらと考えている。
長崎の認知度を高めつつ、巡礼=長崎を目指したい」と強調した。

 貼付剤「サロンパス」を比国内で販売して80周年になる久光製薬。その小野寺勝太さんは「比では塗り薬がまだ主流。
日本文化のひとつとして治療方法である貼付剤を広めていきたい」と意気込みを見せた。さらにオタキュートの大原雄共同創業者は
「コスプレを通して日本文化を世界へ発信できれば」とした。

▽比人の関心強く
 着物を着た比人マービンさん(20代)は、まにら新聞に「日本を知りたい人にとって有意義なイベント」。「将来、三味線を弾ける
ようになることが最終目標」とも。家族と会場を訪れていた片山真澄さんは「娘たちは射的や忍者のゲームなどを楽しんだ。
思った以上に大盛況で、フィリピン人の関心の強さを感じた」と話していた。
 ジャパンフィエスタ2023は駐比日本国大使館をはじめ、マニラ日本人会やJNTOマニラ事務所、比日本人商工会議所
国際交流基金マニラ日本文化センターなどジャパンフィエスタ協議会が主催した。(沼田康平)

まにら新聞 2023.2.19
https://www.manila-shimbun.com/category/culture/news269340.html