ソウルのホテルで16日に在韓日本大使館主催で開かれた、天皇誕生日(23日)の祝賀レセプション。日韓関係改善の動きを背景に初めて国歌「君が代」が流されたが、会場の外には以前と変わらず「独島(トクト)(竹島=島根県隠岐の島町=の韓国側呼称)はわれわれの土地! 沖縄もわれわれの土地!」などと叫ぶ市民団体の姿があった。

事前の韓国報道もなかったが、彼らは日程や場所をどう把握したのだろうか。警察当局の警備関係者に尋ねると「そりゃ、ウチの担当者が出入りの記者に細かくしゃべってるから、伝わるでしょ」。市民団体への情報提供は当然と言わんばかりに、平然と答えた。

2016~17年、大規模集会を通じ当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領を弾劾に追い込んだ韓国国民。尹錫悦(ユン・ソンニョル)現政権下でも、週末ごとに数千~数万人規模の集会が開催される。火事とケンカが江戸の華なら、ソウルの〝華〟は間違いなくデモ隊だろう。警察当局も、彼らを積極的に取り締まるのではなく、信頼関係を築き混乱を回避する方針なのだろうか。

デモ隊はレセプション開始から約2時間後、帰り支度を始めた。最後の演説では所轄の警察官に向け「みなさんは本当によくやっている。いつもおつかれさま!」と笑顔であいさつ。なんとも仲むつまじい様子だった。(時吉達也「ソウルからヨボセヨ」)

産経新聞 2/26(日) 7:30
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