政府が今日、日本統治時代の徴用工の訴訟問題をめぐる解決策の最終案を発表する。国内企業がまず資金を拠出して元徴用工に賠償し、日本企業が今後参加する方式になるという。

被告企業でありながら賠償を拒否してきた日本の三菱重工業と日本製鉄は、韓日両国の経済団体が設立する「未来青年基金」を通じて間接的に参加する案が有力視されている。日本の謝罪は1998年の韓日共同宣言(金大中・小渕宣言)を継承するレベルになるとみられる。

迂回路を選んだ政府の案は、賠償責任を頑なに否定している日本政府と企業を引き込むための次善の策だ。元徴用工らが日本企業の参加による心からの謝罪を要求してきたことを考えると、不十分な点が少なくない。

野党は公式発表前から「屈辱外交」と批判の声を強めている。反発が予想される状況でも政府が最終案を推し進めたのは、過去問題の呪縛から脱却し、未来に向けて進むという意志の表れだろう。

韓国が昨年7月に官民協議会を構成し、1年近く議論と交渉を重ねる間、日本は意味ある立場の変化を見せなかった。そのような日本に対し、政府は「協力パートナー」として手を差し伸べた。

国内の政治的リスクを背負いながら、3年ぶりに韓日首脳会談を実現した。今、賠償責任もない韓国企業が先に賠償金を準備している。日本が誠意ある態度で応じなければ、逆風の中で辛うじて築いた最終案さえも覆され、両国に大きな負担となるだろう。

韓日両国は、世界情勢と北東アジア経済、安全保障の地形が刻々と変化する中で、関係を改善しなければならない歴史的分岐点に立っている。

増大する北朝鮮核の脅威、技術覇権をめぐる米中対立やロシア・ウクライナ戦争の長期化、自国優先主義の動きなどは、力を合わせても乗り越えることが容易でない課題だ。過去から目を背けてはならないが、いつまでも過去に縛られている余裕もない。

ボールは今、日本に渡った。日本政府は韓国が提示した解決策を受け、できる限り前向きな措置で対応しなければならない。元徴用工に心からの謝罪を伝え、日本企業の賠償および基金設立への参加もその規模と範囲を拡大していかなければならない。

元徴用工以外にも佐渡金山、従軍慰安婦、独島(ドクト、日本名・竹島)など、解決すべき過去問題や懸案が山積している。突破口を切り開く今回の機会をつかめなければ、両国とも若い世代に新たな未来を開くことができない。日本がこれからの100年を見据えた姿勢で答えを出すことを願う。


Updated March. 06, 2023 09:28
https://www.donga.com/jp/List/article/all/20230306/4002250/1