ジャニーズ事務所のアイドル、King & Princeの平野紫耀氏が日本のバラエティー番組でソウルに行き、番組内で発言した内容が韓国で問題になっている。
「韓国を侮辱している」「見方によっては中国も侮辱している」というのだ。ネットだけでなくテレビ番組でもこの件が取り上げられている。

● 日韓関係は今年に入って融和ムードへ

 日韓の間に長年わだかまりとして残っていた徴用工問題。といっても日本は1965年の日韓請求権協定で全て解決済みという立場で、韓国側が一方的に問題視し続けていただけなのだが……。
その問題もようやく、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権になって解決へと動きだした。

ー中略ー

 そんな中、韓国ではジャニーズのアイドルグループ「King & Prince(キング アンド プリンス)」平野紫耀氏の発言が「韓国のことを侮辱している」と物議を醸している。
いま、韓国のネットニュースはもちろん、テレビ番組でもこのことがこぞって報じられている状況だ。彼の発言は日韓の融和ムードに水を差すことになるのだろうか……。

ー中略ー

● 韓国人の自尊心に傷をつけた日本人

 あまりにも無知な平野氏の発言にも問題はある。だが、彼の発言をウケると判断し、そのまま使用した「King & Princeる。」制作側にも落ち度があったように思う。
筆者は問題のシーンを見て単純に面白いと感じたが、確かに韓国人が怒るのにも納得だ。
そして、韓国にいるにもかかわらず「シェイシェイ、ウオアイニー、北京ダック」と何度も中国語を出したのは、見る人によっては中国も侮辱したと感じるだろう。

 日本人からしてみれば、韓国は日本よりも後に発展した国だから、韓国に初めて行って「意外と高い建物がある」と感じる人も少なくないはずだ。
大昔に初めて韓国を訪れたかつての筆者もそうであった。だから、平野氏も初めて韓国に行って同じような感覚を持っただけではないだろうか。
また、平野氏のように、日本人が韓国と中国を同じように見てしまう気持ちも分からなくはない。興味がなければ近い国は皆同じに見えてしまうものだ。

 今回の平野氏の発言を知った韓国人たちは、彼のことを「右翼嫌韓発言」をする日本のアイドルだと批判した。だが、韓国にだって最近は「田中さん」という芸能人が大ブレイクしている。
日本の有名ホスト・ローランド氏のパロディをするのだが、ペラペラとしゃべる韓国語の中に、ときおり変なイントネーションを混ぜて視聴者の笑いを取る芸風である。
一所懸命に韓国語を勉強し、韓国人との意思疎通を図ろうとする日本人を侮辱しているような気がしてならず、筆者はこのキャラクターが大嫌いだ。
だから、韓国だって他国のことをとやかく批判できる立場にはないと思う。

 平野氏のキャラクターが天然なのか、芸能人故に作りだされたものなのか、それは本人とその関係者にしか分からないものだ。
しかし、彼の過去の発言を見ている限り、故意でないような気がする。「King & Princeる。」制作側もまた、バラエティー番組故に面白おかしく編集しただけではないだろうか。

 しかし、韓国ではテレビやネットニュースで取り上げられるほど大きな騒ぎになっていることは事実だ。せっかく融和ムードに向かっている日韓関係が、こんなことで悪化しては馬鹿馬鹿しすぎる。
それだけに、日本のテレビ局はこのような批判が起こらないよう、より一層徹底した番組作りを心掛けてほしいと思っている。

ビジネスライター 羽田真代

全文はソースから

DIAMOND onlin 3/25(土) 6:01配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d5b416a384a4cfb5575fb1edba05f06a197e0a44