ドル高の勢いが衰えたにもかかわらず、ウォンが回復の兆しを見せず、ウォン安が続いている。専門家たちは貿易収支の赤字など韓国経済の基礎体力が弱くなっている点を理由に挙げている。韓国政府が下半期に行くほど輸出環境が改善されると期待している中、ウォンの価値が回復するかが注目される。

 20日のソウル外国為替市場で、ドルに対するウォンの相場は前取引日より2.9ウォン高の1ドル=1322.8ウォンの終値を記録した。一時、1ドル=1332.3ウォンまで下がり、昨年11月29日(1342ウォン)以来約5カ月ぶりの安値だった。終値基準では4営業日ぶりにウォン安が進んだ。

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 特にウォン安の背景には、韓国経済の基礎体力の悪化があるものとみられている。今年に入って先月20日までの累積貿易赤字は241億3千万ドルで、昨年同期より3倍以上高い。史上最大を記録した昨年の年間貿易収支赤字規模(478億ドル)の半分をすでに上回った。今月に入っては、韓国企業に投資した外国人投資家らが配当金を受け取ったことで増えたドルの需要も、外国為替市場の需給に影響を与えたものとみられる。海外との取引を通じて、かえってドルが流出しているわけだ。さらに、1.5%ポイント(金利上段基準)まで広がった韓米政策金利の差もウォン安に影響を及ぼしている。

 韓国銀行は報告書で、「(最近のウォン相場の異常な流れは)米国の金融緊縮の不確実性に加え、貿易収支赤字の持続など国内要因にも起因するものとみられる」とし、「最近貿易収支が悪化したタイ、南アフリカ共和国、アルゼンチンなども2月中に相対的に大幅な通貨切り下げを経験した」と分析した。

 今後、ウォンの価値を回復するためには、輸出環境など基礎体力の改善が欠かせない。このため、政府はまだ現れていない中国の景気回復の恩恵が下半期に行くほど可視化するとみて、ウォンの持ち直しを期待している様子だ。新韓投資証券は同日発表した報告書で「3月以降のウォンの相対的な劣勢は、ファンダメンタル(経済基礎体力)に対する懸念がある中、ドル需給の悪化が伴った結果だ」とし、「(ドルに対する)ウォン相場は下半期に上がる可能性があり、第3四半期に中国経済の回復が本格化すれば、貿易収支の改善などがウォン高を後押しするだろう」と話した。

チョ・ヘヨン記者

ハンギョレ 2023-04-21 06:20 修正:2023-04-21 07:25
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