ー前略ー
 彼ら/彼女たちは、日本での生活には一定の満足感を抱いています。清潔だしサービスは良いし、人々は比較的穏やかで親切だし、
物価は安いし、公共交通機関は時間に正確だし、食べ物はウマい。
しかも、母国通貨で給料をもらっていれば、円安のおかげで円換算すると給料も高くなる。こんなにいい国はない!

 それはそれで素晴らしいことだし、私も同じ日本人として誇りに思います。とはいえ、彼らが長年育ってきた環境からすると、
「日本社会の幼稚さ」「非合理さ」「他人の目を気にする」「クレーマーに弱すぎる」「余計なお世話が多すぎる」には、耐えがたい面もあるようです。
日本という国は「丁寧であればあるほどいいだろう」という前提があったうえで、「不快に思わない人を極力増やしたい。クレームは回避したい。
そのためにはクレームを言ってこないであろう少数派の我慢は必要」ということが行動原理になっているのです。

 それは個人主義が徹底された欧米の人にとっては正直ウザいのです。
彼らからすれば「私はいちいち行動に指示されたくない」「私は子ども扱いされたくない」となります。
その象徴が「過剰アナウンス」ではないでしょうか。

・「まさに私の妻が苦しんでいることだ」
 電車に乗ると車掌ないしは自動アナウンスが延々と喋り続けています。次の駅名とどちらのドアが開くかを伝えるのは、誰にとっても、特に視覚障害者には重要なことです。
しかし、「一人でも多く座れるように座席は詰めろ」「ドア付近の人は一旦ホームに降りろ」「電車が揺れることがあるから立っている人は手すりか吊革に掴まれ」に加え、
コロナ期は「時差通勤しろ」「リモート勤務しろ」「ソーシャルディスタンスを取れ」「マスクをしろ」と連呼されました。
しかも、丁寧に英語・中国語・韓国語でも流すものだから、車内は次の駅に着くまでアナウンスシャワーのごとき状況になります。

 こうした状況が、公共の場での過剰アナウンスには慣れていない外国人にとっては苦痛だったようです。実際のコメントを見るとこんなものがありました。
私に対してツイッターで相互フォロー関係になった人からのDMの言葉も含めて紹介します。

「『過剰アナウンス大国』これはいい言葉だ。まさに私の妻が苦しんでいることだ」
「このような分析記事が出るとは。日本人もこの過剰アナウンスに違和感を持っている人がいるのか」
「良い分析をありがとう」

 正直、この「過剰アナウンス大国」の記事は、在留外国人の人向けに書いたわけではありません。
それでも、同記事に反応した外国人は多く、その中のひとりであるアメリカ人ジャーナリストからは、
近日中の飲み会の誘いをいただき、欧米出身の人たちと一緒に、日本の生活への違和感について語り合うことになりました。

 もちろん彼ら/彼女たちは、日本で暮らすのは快適だと思っていますし、好きだからこの国にいるわけです。
しかし、厚切りジェイソン的に「Why Japanese People!」と言いたくなることも多いのです。

・「English」ではなく「Engrish」
ー中略ー
・「クールジャパン」の一方で「東洋の怪奇」
 コロナ騒動を世界は終えたのに、まだマスク着用をし続ける人が多い日本に違和感を覚える外国人も多いようです。
先日は、ラッシュアワーの駅のホームでマスク集団を撮影する欧米人も目撃され、その様子がツイッターで公開されました。
「クールジャパン」などと日本独自の良さが強調されることもありますが、一方で過去に作家・椎名誠氏が過去に指摘したように「東洋の怪奇」として感じることもあるんですよ。

 こんなことを書くと、「日本には四季と安全な水道がある!」と、その良い面ばかりを主張する人もいますが、
そんなことをずっとネットで主張していたところで、今の日本が置かれた状況は、何も変わりません。
ー後略ー
中川淳一郎

全文はソースから
5/13(土) 16:15配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/3ce6f33834c9824b18be192937cde1bb675e894d?page=1