・韓国では「オグラダ」という言葉が頻繁に出てくる。
・「悔しい」「口惜しい」と訳されるが、実際は不利益を被った時に行き場所のない悔しさを表現する言葉である。
・言葉は文化。韓国人の心の中には、不利益に直面した時に、他人のせいにするDNAのようなものが確実にあるという。
(立花 志音:在韓ライター)

ー前略ー
・「オグラダ」という言葉が示す韓国のDNA
 辞書で調べると、「悔しい」とか「口惜しい」と訳されるのだが、筆者が答えるなら、当てはまる日本語はないと言うだろう。

 では韓国人たちはこの感情を、英語でどのように表現するのかと思って、調べてみた。辞書的にはThis is unfair.と表現されるようだ。
しかし、英語のネイティブ級の講師が説明すると、It wasn’t me に相当するというのだ。

 勘のいい方はお分かりになっただろう。「オグラダ」は、自分に責任がないのに甚大な不利益を被ってしまった時に、
行き場所のない悔しさを表現する言葉なのだ。

 韓国人はこの言葉をよく使う。今回の豪雨のニュースでも一日中この言葉が聞こえていた。

 被害にあった人の心中は察して余りある。それは間違いない。しかし、言葉は文化だ。
韓国人の心の中には、残念ながら不利益に直面した時に、他人のせいにするDNAのようなものが確実にある。

 我が家の末娘は5歳だが、事件が起こると「○○のせいで!」ということがある。初めて聞いたときはどこで覚えてきたのかびっくりした。
我が家でそんな言葉を使う人はいないからだ。

 それ以降「何かあってもすぐ、人のせいにしてはダメ」という、娘との約束が一つ増えた。

 でも、家庭の中でいくら教育しても、環境には勝てないかもしれないと憂うような事件が起こるのも、また韓国である。

・豪雨災害の現場で見た「オグラダ」
 今回の豪雨災害で、行方不明者を捜索中の海兵隊員が亡くなるという悲しい事故が起こった。
彼はまだ20歳で、大学に1年通った後、休学して兵役についた。最近の韓国の若者は大体大学に進学してから、兵役の義務につく。
今年の5月に基礎訓練を終えて、任務に配置されたばかりの、新人兵士だった。

 行方不明者の遺体を探そうとして、部隊員達は長いロープをつたって水に入ったというが、ライフジャケットも支給されていなかった。
プロの救助隊でもなく、経験もない新人兵士を、豪雨が降った後の水流が激しい河川での救助活動に送ったのだ。

 韓国の18歳以上の健康な男性には兵役義務がある。しかし、それとは別に訓練された職業軍人も存在している。
なぜ、救助隊でも職業軍人でもない新人兵士がこのようなことになったのか。疑問に思っても、この国で答えてくれる人はいないだろう。

「ライフジャケットを支給されずに亡くなった20歳の兵士は、殉職者として昇進し、韓国の国旗に包まれて、
国立大田顕忠院の将兵墓地に手厚く葬られました」ニュースキャスターが悲しそうにニュースを締めくくっていた。

 彼のご両親の心中はいかばかりだろうか。国民の義務を果たすために入隊したのに、入隊先はあまりにもお粗末だった。
彼の父親は勤続27年の消防隊員だそうで、「これは殺人みたいなものじゃないか」と口惜しさをあらわにしていた。
これこそが「オグラダ」である。

 筆者にも息子が2人いる。長男は高校2年生になり、兵役はリアルに身近な問題だ。

 筆者がいつも息子に言っていることは、日本国籍を選べば、軍隊に行かなくてもいいということだ。
学校の友達にも時々、「お前は日本人になれば、軍隊に行かなくてもいいんだよなぁ」と言われることがあるらしい。

 しかし長男は兵役を経て、韓国人になるつもりでいるようだ。3年後には、服務しているだろう。
親としては非常に複雑な気持ちであるが、我が息子は自分の祖国を愛し、ここで生き抜くつもりのようだ。

全文はソースから
2023.7.28(金)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/76258