【ソウル時事】韓国の2023年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの推定人数)が、暫定値で0.72と発表された。

 経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で、出生率が1を下回るのは韓国のみで、22年に1.26だった日本と比べても著しく低い。政府は巨額を投じてきたが、低下の一途をたどっている。

 「14世紀にペストが欧州にもたらした人口減少を超えるものだ」。米紙ニューヨーク・タイムズに昨年12月、こんなコラムが掲載された。「韓国は消滅するのか」と題され、このまま少子化が進めば「高齢者が見捨てられるのは避けられず、未来の見通せない若者が移民となるだろう」と指摘。韓国メディアはそろってこれを報じた。

 実際に少子化の影響はさまざまなところで表面化している。教育省は2月、今年の新入生がいない小学校が全国で157校に上ると発表した。国防白書によれば、徴兵制をとる韓国軍の兵力は20年末の約55万5000人から22年末には約50万人にまで減少。国防面への影響も懸念されている。

 少子化がここまで深刻化する背景には、住宅価格の高騰や、女性の社会進出に伴う晩婚、非婚化などさまざまな要因があるとされる。韓国銀行(中央銀行)は昨年11月に発表した報告書で、韓国が過度な競争社会であることや、住宅や雇用、子どもの養育面での不安が影響を与えていると指摘した。

 子どもの教育熱が高い韓国では、塾通いなどにかかる教育費の負担も大きい。ソウルに住む30代の就職活動中の未婚男性は「幼少期からの英語教育や塾通い、子どものときからの留学など、韓国では子どもに対する期待が高すぎる。他と比べる文化があるからだと思う」と話した。

全文はソースで 最終更新:3/3(日) 7:06
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