新型コロナ感染拡大の抑制で「優等生」とされてきた台湾で、5月に感染が急拡大。対策の不備とワクチン接種の遅れが政治問題化し、これまで高い支持率を誇ってきた蔡英文総統の支持率が3割台まで急減している。
日本が無償提供したワクチンについても、「社会的不公平」を生む要因になるとの批判があがり始め、一方で接種後に複数が死亡したと報じられるなど、ハレーションを起こしている。

台湾のケーブルテレビ大手TVBSが6月10日に発表した世論調査によると、第二次蔡政権の発足(2020年5月)時に60%を超えていた支持率は、第一次政権時の2019年5月以来、2年ぶりに40%台を割って38%まで下落した(不支持は49%)。
また、政府のワクチン調達への「不満」は57%と、「満足」の35%を大きく上回った。
記者会見での丁寧な説明が評価され、これまで絶大な支持を受けてきた中央流行疫情指揮センター指揮官の陳時中氏への「満足」度も、74%から49%へと一気に25ポイントも低下した。
蔡政権は、台湾海峡を挟んで中国との緊張が激化するなか、「台湾有事」をあおって高い支持率を維持してきたが、政治的な対立とは裏腹に、中国への貿易依存度は4割を超え、経済一体化はむしろ強まる一方だった。

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