嗜好品として見なされない音響機器は
造り手の顔が見えないノンデザイナー・ブランドで
昔は日本製オーディオを「お茶漬けの味」と揶揄していた。
酒の肴にもならず、酔い覚ましのシメの部分だろうか。

ここでお茶漬けの味をちゃんと考えると
ただご飯にお茶をかけただけではダメで
いい塩梅の薄い塩味、ほんのりとした海苔の香り
そして少々の魚介類の旨み成分が加わって
胃がもたれずにスルスル入る。

昭和の歌謡曲の味加減を考えるに
ある種のストレス社会との相反性も感じられ
「お茶漬けの味」を肯定的に見直すことが必要だと思う。