一方で、NHKの音は超えられない壁のような存在であり
ストレス社会を黙認するお役人のような感じもする。
規格化を意識させている時点で、すでに抑圧的なのだ。
では無意識に存在するお茶漬けの味とはどういうものか。
それがパナソニック製品の音なのである。

マネシタ電器の裏には、徹底した規格化と低コスト化という
技術的なバックボーンがなければけして成立しない。
規格化の背景には、必要ないところにはコストを掛けない
つまり不用の用の勘所をしっかり弁えていることが重要で
そこがサウンド造りに生かされていると言える。
例えば、音質の要となるスピーカー、真空管は自社製で
トランス、コンデンサーの類は無味無臭なもので統一して
調達コストを下げるという割り切り方が、サウンドに現れる。
出力トランス、カップリングコンデンサーなど
アンプの音決めをする要だのだが、意外にアッサリしている。
この点が、お茶漬けのように感じられる要因だと思う。