ここで、歌謡曲をお茶漬けの味に喩えて
その味にこだわるということについて考えると
いい塩梅、ほのかな香り、わずかな旨み成分と
薄味のなかに繊細な感性が生きていることに気が付く。

ご飯がふやけてしまうと味気なくなるし
海苔がベトベト絡みつく、鮭の脂が溶け出しすぎる等々
サッパリ感のバランスが崩れる要因は意外に多い。
つまり作り立てをササッと掻き込むのが美味しいのだ。

オーディオに喩えると、ピアノからメゾピアノの音量に
繊細な再生能力を傾けた仕様が好ましいことになる。
これは多くの日本人歌手の声量から考えても妥当で
1〜2Wのレベルで高品位ということを目指すことになる。