お茶漬けの味には、繊細な薄味の美学のほかに
様々な要素の混ざり具合というものもある。
いい塩梅、ほのかな香り、わずかな旨み成分は
塩、海苔、鮭と、どれを単味で取り上げても
サッパリ感は出てこない。
雑味として混ぜ合わさることで、各々の味が引き立つ。

一方で、それぞれの味がしっかりしてないとダメで
塩なら食塩ではなく、梅干しや塩鮭に含まれる粗塩
海苔も炙りたての焼きのり
逆に、ご飯は冷飯、お茶は二番煎じのほうが
加えた味が浮き出て美味くなる。

歌謡曲もリソースに忠実な再生だけではダメで
いい塩梅になる混ぜ具合を吟味することが大事だと感じる。