ちなみに磁気飽和を狙ったライントランスは
高級なハイファイ用ではなく、小さいトランスのほうが出しやすいです。
そしてプリアンプとパワーアンプの間に挟んで
プリ側で過入力で送り出し、パワー側のボリュームを絞ることで
ちょうどいいポイントが見つかります。

例えば、初期のNEVEのコンソールにはトランスが多用されていましたが
磁気飽和を起こすと綺麗な高次倍音が乗るような設計になってました。
16chものマルチトラックになると、音が混濁してジャマなだけですが
ソロパートの収録に存在感を出したいときは、今でも有効な手段です。
トライデント社のライントランスなどは
廃棄されたコンソールからパーツ取りする場合もあります。

これと同じというわけではありませんが、安価で製造されているもので
サンスイトランスのST-78、ST-17Aが歌謡曲にはピッタリで
高域の伸びたST-78、それより暖色系のST-17Aと使い分けています。