放送用テープデッキについては、
一般の録音スタジオが8〜16chにいたるマルチトラックなのに対し
番組そのものを収録した2トラックの再生機器が主流になります。
ハイファイ規格のFM局の地方局との連携に必須だった一方で
何よりも大事なのが堅牢性で、絶対に止まらないことです。
このためスチューダーやアンペックスのように音質面での話題はない一方で
放送用のターンテーブルもそうなのですが
テープ速度の正確さはもとより、ワウフラッターの低さなど
メカニズムの安定性からくる腰の据わったサウンドが特徴としてあります。

個人的にはデジタル機器には、音程のブレはない代わりに
腰が据わったという感覚をあまり感じません。
腰が据わったというのは、聴感的に音がまっすぐ伸びた感覚なのですが
おそらくデジタルは微小信号のグランドノイズがパルス波でチラチラするので
どこか落ち着きのない感じがするようです。
この落ち着き感は、ライントランスを入れることで、スッと出てくるので
可聴領域を侵さない程度にアナログのフィルターを入れると解消します。
トランスとまでいかなくても、コイルでも十分なような気がしますが
既にトランスをひとつ噛ましているので、まだ試していません。