グラフィックイコライザー(GEQ)とはスライダーの位置が周波数特性を表すように見えるからそう名付けられたものだが、実際は案外そうではない。
たとえば1/3オクターブ刻みのものは1kHzのスライダーを上げると隣接周波数である800Hzや1.25kHzもブーストされてしまう。
同様に800Hzや1.25kHzのスライダーを上げると隣接の1kHzもブーストされる。
つまり800Hz, 1kHz, 1.25kHzを上げると1kHzのブースト量は800Hzと1.25kHzのブーストの干渉を受け、スライダーの目盛よりも大きくなる。
逆に800Hz下げ、1kHz上げ、1.25kHz下げのようにジグザグにすると1kHzのブースト量は目盛よりも小さくなり、スライダーの並びのようにはジグザグにならない。
このように干渉があるので、測定結果から800Hzは何dB下げ、1kHzは何dB上げ、などとスライダーを動かしても必ずしもうまく補正できない。
最近はGEQもソフトウェアであり、1kHzで+5dBにすれば必ず1kHzでは5dB上がるようにしたものもあるが、そういうものは少ない。