菅野沖彦さんとステレオサウンドが、お金を貰えないドイツのオーディオメーカーを意図的に排除した

ドイツはオーディオについても高い水準にありますが、その音はアメリカや日本とは異なります。信じられないほどたくさんのメーカーがあるのですが、
日本のようなマスセールスと縁のない小さなメーカーも少なくなく、また、ドイツ製品は鳴らし方を間違えるとじゃじゃ馬になってしまいそうな製品が多いからか、
日本ではドイツのオーディオメーカーはあまり知られていません。ですから、ドイツにはオーディオメーカーが少ないと誤解している方も多いようです。日本でのオーディオの情報は大変偏っています。ドイツはオーディオ大国です。ドイツの音には以下のような特徴があります。

ドイツのオーディオは原理に忠実
ドイツのオーディオ雑誌を見ると、どのような製品についても膨大な測定データが用意されています。
これはメーカが測定したものではなく雑誌が測定したものですが、周波数特性、歪率だけではなく、
位相特性、方形波やパルスを入力した結果の特性などすべてが公開されています。

こうした背景から、ドイツのスピーカーは小口径のものが多くなります。
その理由は位相特性を制御しやすいからです。大型のスピーカーは正しい過渡特性をそのままでは実現できません。
また、この時代からドイツにはデジタル信号のままスピーカーの位相特性を制御する製品が昔から製品化されていました。
いずれにしても、音だけではなく更に正しい特性を実現していない製品を好まないドイツの人たちの
オーディオに対する考え方が出ていると思います。

このような背景から、世界で最も多くのハイエンド無指向性スピーカーが製品化されている国でもあります。
スピーカーの指向性は、スピーカーという機構にとって原理的にマイナスだからでしょう。
また、ドイツのがっちりとした家の構造において、無指向性スピーカーは素晴らしい性能を発揮できます。
日本では、どうでしょうか・・・。写真はベルリンにあるハイエンドオーディオメーカーMBLの無指向性スピーカーです。
同社は、長い間、この方式のスピーカーを作り続けています。
https://www.calvadoshof.com/NewAudio/audiohistory7.html