聖書には「魔術」ということばがよく出てきます。これは原典のギリシャ語では「フェルマキア」
英語の「ファーマシイ」「薬局」の語源はこれなのです。つまり「魔術」とはドラッグを意味し、
魔術とドラッグは同意語であり、つねに表裏一体の関係にあるのです。

ですから、ロックがドラッグと結びつき、それがサタニズムと関連を深めても何ら不思議はないのです。
 ビートルズでは、全員がドラッグを使っていたそうですが、とくにジョン・レノンが多く使っており、
生き延びるために不可欠だったとの証言もあります。このように、1960年代後半、
ドラッグはビートルズが先導役となって、ロックの世界に浸透し、ヒッピー運動とともに若者の間に広がっていったのです。
ロック・フェスティバルでは、何が行われているのでしょうか。

それは、とても音楽のコンサートとは思えないほど異常なものです。
 ロックは、心臓の鼓動の持つ自然なリズムと全く逆のリズムをとるため、
聴く者の内蔵を打ち、繰り返しの反復によって脳にそれが叩き込まれるのです。 
人間が苦痛を感ずる音量は約100デジベルからであるといわれます。
ロックコンサートにおけるエレキギターの音は約190デジベルもあるので、
苦痛に感ずるほどうるさい音なのです。

 絶えず激しく律動するビートは、高いボリュームで長時間続けられると、
いつしか催眠術的な効果が生じてきます。どうしてかというと、
神経組織が高音で繰り返し襲われるので、通常の聴覚がマヒしてしまうからです。

そうすると超越瞑想のようになって、音楽が醸し出すイメージと歌詞のメッセージに対する
深い被暗示性が生まれてくるのです。
 こういう状態になると、音楽という催眠術がかかりやすくなるので、
人々は音楽の持つメッセージとイメージをまともに受け入れてしまいます。
その場に、目もくらむようなレーザー光線やスクリーンに映し出されるデモーニッシュな映像があれば、
乾いた土が水をまたたく間に吸収するように心の中にしみ込んでしまうのです。