セックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムド、チェルシーなどは、
パンク・ロックグループですが、彼らはきわめて異常な風体をしていたのです。
世紀末風のファッション鋲つきの皮ジャンにチェーン、髪は逆立てて極彩色に染め、
死人のような青ざめたマスカラの隈どりといえば、ピンとくると思います。

 しかし、彼らに決定的に欠けていたのは演奏力であり、長時間のコンサートには耐えられなかったのです。
時代の異端児としては注目されたものの、演奏レベルの低さに人気は長続きせず、
当然の帰結として、出現の瞬発力と同じスピードで姿を消してしまうのです。
しかし、あの奇妙な風体だけは、若干姿を変えて次のヘビー・メタルに受け継がれることになります。

 さて、ヘビー・メタルとは何でしょうか。
 ヘビー・メタルとは、そのサウンドを表現するものです。どういうことかというと、
ギター・コードの激しく鳴り響く音がデトロイトの自動車工場で、
鋼鉄から車の部品をプレスする流れ作業場の、耳をつんざくような騒音と似ているところから、そう命名されたのです。

 その特徴はといえば、研ぎすまされた粗野でストレートな表現力、他の追随を許さぬスピード感にあるといえます。
そして、当然のことながら、より悪魔主義と一体になっていきます。

 アイアン・メディアン(鉄の少女)というグループは、悪魔の数字といわれる666を前面に打ち出した曲
「獣を野に放て、666、ナンバー・オブ・ビースト」という曲を演奏し、悪魔主義運動を起こし、
ヘビー・メタルの先頭に立ちます。

 そして、ヴェノム、サタン、デーモン、ウィッチファンド、エンジェルウィツチなどのバンドが誕生するのです。
まるで、地下教団的な秘密組織みたいですね。
こういうヘビー・メタルのファンの56%は17歳以下の青少年なのです。・・・
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菅野沖彦さんはジャズ・ロックがこういうものだというのを全く知らず
単にアメリカ的な賑やかな音楽だとしか思っていなかったんですね。
だから見当外れのオーディオばかり推薦していたのです。