オノ・ヨーコ は、一流銀行家の娘である。子供の頃から、学習院や三井アカデミーなどブルジョア学校で学び、皇族の一人とも親交を結んだ。
 一九五二年、二度目の渡米生活の時、ニューヨークのサラ・ローレンス大学に入学し、勃興しつつあったアバンギャルドの
「ビートニック」の洗礼を受けた。大学時代に麻薬を覚え、何回かの中絶をするなど乱れた男女関係を経た後、
一柳俊というニューヨークのジュリアード音楽院の学生と結婚した。

二人は麻薬の巣窟、グリニッジ・ビレッジのジャズ界に入り浸りとなった。
その結婚生活もヨーコが、自殺未遂で精神病院から退院したばかりのホモの作家といい仲になったことから破局を迎えた。
 一九六二年になって、ヨーコの家族は娘をこのすさんだ生活から救おうとして日本に呼び戻したが、
ヨーコはまたもや自殺をはかり、東京の精神病院に収容された。

その精神病院からヨーコの脱出の手助けをしたのが、もう一つ輪をかけた悪のトニー・コックスというアメリカの麻薬売人である。
コックスは、とある●●ヤ教司祭の息子と手を結んで麻薬の製造と密売を行った男で、
ニューヨークにおけるLSD−25の売人第一号である。

ヨーコの友人にも手広くLSDを売りさばき、FBIとマフィアの追及から逃れて日本に渡ってきた時、
ヨーコと再開し結婚する。