カラーボックスの上にスピーカーを置いたり
オーディオラックの代わりにカラーボックスを利用している人は多いが、
オーディオ機器と最も相性が悪いのがその「カラーボックス」であることは、マニアの間ではよく知られている。
つまりオーディオ機器の設置にカラーボックスを利用する人が「普通の人」で、カラーボックスを使用しない人が「オーディオマニア」なのだ。
また、さらにマニア度が進むと、オーディオ・セットのある部屋に絶対にカラーボックスを共存させない、ぐらいカラーボックスを毛嫌いするようになる。

カラーボックスは安くて軽くて組み立ても簡単、サイズ的にはオーディオ機器のセッティングに好都合に見えなくもない。
材質がべコベコで、変な反響の仕方をするから音を濁すし、機器を強固に安定させることができないのも問題とされる。
そもそもオーディオは高級な趣味なので、「一番安い家具」であるカラーボックスと一緒にされるのは我慢ならない・・・
という、結婚における「家柄が合わない」的な差別意識もそこにはあるようだ。

しかし不思議なもので、カラーボックス上にスピーカーをセットしている人を知っているが、結構いい音で鳴らしているのである。
「店の人にカラーボックスだけはやめろ、と言われて、ちゃんとしたスピーカースタンドを使ったこともあるが、結局これに戻してしまった」
と言うのだ。
 「絶対これはダメ!」といった堅苦しい考え方をしていると、いい音にめぐり合えないこともある・・・ということだな。

美音追求には、時には毒も盛らねばならないのだ。