心因性問題と精神医療【擬態うつ/閾下発達障害】 [無断転載禁止]©2ch.net
こじらせている方が多いと思われます。どう思われますか?どうであったら良いでしょう?
人格障害スペクトラム、適応障害、神経症圏、ディスメチア型/免罪・アイデンティティ・
社会保障のための病/過剰診断とドクターショッピング/医療難民?社会難民(生育環境)?
/薬物治療の無効性(薬害は有)と非薬物治療の回避/おおらかなDSM/近代化/その他 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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https://www.youtube.com/watch?v=dFj6B-dIKY8 1.はじめに
職場絡みで発症したり職場環境が治療経過にいろいろな影響を及ぼすことはよく知られている。しかしな
がら,精神疾患をめぐって職場環境が今日ほど関係者の注目を浴ぴていることはないのではないかと思う。
考えてみると30年ほど前までは,職場絡みで問題になる精神疾患といえば,統合失調症かアルコール依存
症ぐらいで,後者は体質の問題として片付けられていた。そして,それに続いて問題になってきたのがうつ
病である。筆者ら精神科医は,1980年代に中学生が校内暴力を引き起こし,その対応に苦慮する教師たちが
続いてうつ病になり受診することが増えた経験をしている。その後,今日では企業においては社会情勢の急
速な変化や経済事情等によって,ひどいストレス下で,中高年のうつ病,それに伴う自殺などが増え,企業の
精神保健の中で急速に注目を浴びるようになっている。ことにこの数年は年間の自殺者が3万人を超える
に至って,その対策も緊急課題となっている。今や,精神科外来はうつ病患者で溢れて,精神科医はその対
応に忙殺されているかの感がある。
しかしながら,注意をしなければならないことは,最近,うつ病として治療されている症例の少なくない
患者の治療経過が思わしくなく,見立ての再検討を求められることが多くなったことである。そして,それ
らの紹介されてきた患者をよく診ていて感じるのは,うつ病と称される病態の背後に何らかの人格障害を秘
めていて,それに対する対応がなされていないための遷延化であることが少なくないことである。何も人格
障害の治療を改めて始める必要があるわけではない。人格障害のために特殊化した患者の苦悩がいわゆる常
識的な理解だけでは癒されずに慢性化したり,あるいは逆に治療関係が悪化して病態が複雑化したりといっ
た類のもので,その苦悩の特異さを理解するだけでも,事態が変わってくるのである。
ここでうつ病を取り上げたが,何もうつ病に限ったわけではない。不安障害,心身症を含めた身体表現性
疾患でもことは同じである。
そこで,この小論では,職場絡みの病態で,人格障害がどのように絡んでいるか,それに対する対応をど
うするかなどの概略に若于なりとも触れることで,役割を果たしたいと思う。 2.人格障害とは
ただ,問題になる精神症状の背後にある人格障害の様態を説明する前に解決しておかねばならないことが
あると思う。それは人格障害という概念の定義の問題である。精神医学では,歴史的に人格偏倚,精神
病質といった概念で人格の問題が論じられてきた経緯があるが,現在DSM診断(米国の疾患分類)で使用
される人格障害personality disorderとは若干概念が違うのである。しかし,精神科医でさえも従来の概念
で現在の人格障害を論じる向きも少なくなく,混乱をきたしていることは知っておいた方がよい。新しい人
格障害とはどのような概念か。分かりやすくするために,ある症例を示すことにする。
ここに27歳の独身女性がいる。付き合っていた男性とも嫌気がさして別れようかと思っているとき妊娠し
ていることが判明し,中絶手術を受けることになった。ところが,その後も無月経が続くので産婦人科を再受
診すると,医師はだまって再手術を行って,治療費は必要ないといって帰した。本人にしてみれば,すでに
生命を宿している子どもを抹殺した罪悪感,何の弁明もしなかった婦人科医への怒りなどで抑うつ的になっ
ているとき,弁護士を紹介する人がいて会ってみると,50万円がせいぜいだ,といって30万円を取ってくれ たという。患者にしてみると,婦人科医のみならず,的外れの対応をした弁護士に対する怒りが増すうちに
過食が始まり,勤めていた会社での仕事も身に入らなくなり,引きこもるようになった。22歳のときである。
それでも2年後には,何とか社会復帰を果たそうと新しい職場に就職するが,新しい彼氏ともギクシヤクし
てくるにつれ,今度は手首を切るようになり,精神科クリニックを受診することになった。その後も機会を
みつけては就職するが,恋人や職場での人間関係に疲れ,過量服薬をするまでに発展して,精神科病院に入
院することとなった。そこで男性患者と付き合うようになったところで,母親の猛反対に会い,筆者を受診
することとなった。
この症例で明らかなのは,ことが起こるまでは何とか社会的適応をしていたが,中絶をきっかけに社会生
活の破綻をきたしていることである。ここには,精神病質概念の中にある遺伝素質的な要因というより,ヤ
ングアダルトの発達課題である社会心理的困難を乗り越えることに失敗し,退行を起こし,社会的要請に応
えることができずにますます退行を起こすという悪循環をきたして閉鎖回路を形成し,パターン化している
に過ぎないのである。そこには従来の精神病質概念にはない治療可塑性があるといえる。 3.最近の職場不適応の特徴
最近の職場不適応症例を見ていて違和感をもつのは,職場が,あるいは仕事が自分に合わないという訴
えが多いことである。
本来は,状況に自分を合わせながら,職場との関係を形成し,その中で苦労しながら自らの人格を成長さ
せるという過程があった。ところが最近では,○○部門は自分に合わない,△△の仕事では感激がないと
いったことを当然のように口にする患者が増えた。そこまで行かなくても,自分に合わない職場に配属され
ると無気力になり,元の職場に戻すと元気になるという途中下車症候群といわれる現象に留まることもあ
る。これらの患者の面接をしていくと,学生時代に得意な領域(文学,芸術,コンピュータなど)のあった
ことが語られるようになり,多少とも現実から離れた世界に住んでいたことが明らかになる。これらの状況
の話になると,患者は結構能弁になるが,しぱらくすると,これらが小学高学年から中学校にかけて,仲間
ないしは社会にじっくり溶け込んでいなかったことを示すエピソードが隠れていることが多い。システム・
エンジニアとして有能であることを認められて係長に抜擢され,人事管理や得意先との交渉などが主要な仕
事になると,途端に無気力になる途中下車症候群でみられるような人格構造,つまり得意な領域だけに留ま
ろうとする人格となっているのだ。
要するに,人格の幅広い部分を周囲の環境に溶け込ませて,人格全体を社会化させることが出来ていない
ということである。全体的にみて,こうしたある部分だけが肥大化して,人格の幅を狭めているヤングアダ
ルトが増えたことは確かである。就職して,多少とも責任を持った仕事を始めたころに不適応を起こし,抑
うつ的になって精神科を受診する例の多くがこの種の問題を持っているといってよい。一人よがりで自己愛
的であるが,その内実は,子どもの性格のまま,大人の人格に成長しないままに社会に出ているという印象
を与えるのである。 4.トラブルメーカー型の人格障害
それとは逆に,何らかのかたちで攻撃的な言動をみせる例も少なくない。ひとつは,昔からあったが,他
人の失策ないしは気に食わない言動を激しく攻撃するタイプの人格である。
ここに34歳の男性がいる。彼は,幼少時から不仲な両親に育てられ,暴力的な父親に対抗し母親は自分が
守るという信念のもとに成長してきたという。しかし,中学1年のとき両親は離婚。それに前後して不登校に
なった。その翌年には,母親は再婚するが,継父とこれまたそりが合わずに緊張関係が絶えずなつくことが
なかった。そのため,大学進学を諦めて就職することになったが,就職しても専門語に弱いという性格のた
めに,かなりの転職があったらしい。ところが,30歳のときにコンビニに就職してから業績を上げて認めら
れるようになった。ただ,若い店員を激しく怒鳴る傾向のあることが注目されている。32歳のとき,営業不
振の店を任されることになったが,それも6ヶ月で見事に立て直した。ところが,今度は店長会議を前にし
て動悸や吐き気,さらには疲労を覚えるようになった。
そこで,精神科を受診し,社会性不安障害の診断のもとに入院治療となった。入院してくると,予期せぬこ
とが次々を起こるようになった。「周囲の人間は無機質な人間ばかりだ!」とうそぶき,外出しては帰院時間
を無視し,レストランに入っては異物騒動を起こし,歯科受診しては主治医とトラブルを起こして担当医が
呼び出され,遂には担当医の交替を主張するなど,傲慢な態度が認められている。そして,幼児レイブのゲー
ムマニアであることが判明している。
尊大,傲慢な態度の背後に小心,臆病,心配性が見え隠れする自己愛型の人格障害の一タイプである。昔
からよくある自己愛性人格障害である。 5.戦闘モードになりやすい人格障害
職場での態度振る舞いはどちらかといえば控え目であるが,人間関係に傷つき激しい怒りを基盤にした反
社会的行動に出る症例も看過できない。
ここに32歳の男性がいる。26歳のとき結婚。31歳のとき,母親が病死してから不安定となり,職場での
人間関係でも傷つくことが多くなったという。異常に神経過敏となり,上司が何かにつけ嫌がらせをすると
感じるようになった。そのため,上司の自宅に無記名の「今日は何事もなく過ぎてよかったですね。でも明
日はどうなることやら,アハハハハ……」といった内容のファックスを送り続けるようになった。遂には,
それが発覚して警察沙汰となり,休職となったところで精神科受診となった。なお後に刑法により罰金刑を
受けている。患者は6歳のとき,わがままな母親に一緒に死のうと首を絞められ,小学生のころは理不尽な
仕打ち(いじめ)を受けた。16歳では少林寺拳法を学び,一流の大学を卒業して,安定度の高いサラリーマ
ンとして社会生活を送るようになった。受診した患者は,昔を思い出すと地球を破滅させないと気がすまな
い気持ちになると述べている。時の経過とともに,それなりに落ち着いてきて復職の話になると,けんか腰
となり,嘆願書を書いたり,自分で作成した診断書に署名させたりする態度が目に付くようになった。復職
後は,配属転換を願う嘆願書作りに余念がなく,それが実現された後も,職場では何かと嫌がらせを受ける
といって警察を呼ぶこともある。プライドが高く,些細な行き違いから激しい怒りを生じやすい。背後に小
心,臆病,心配性がある。これを支えていると,不安,苦情が多いとはいえ,何とか適応している。
この症例に特徴的なのは,人間関係で馬鹿にされたと感じて被害的になりやすいと同時に激しい怒りを
もって周囲に向かうことである。仮に戦闘モード型症例(ある患者の言葉の引用である)としておく。 6.引きこもりから戦闘モードヘ
ここに挙げる症例は必ずしも職場の精神保健とは関連したものではないが,職場での異常な環境下でひど
い傷つきをした後に,抑うつや身体症状を訴えて長年引きこもっている症例に通じるので呈示することとした。
ここに34歳の独身男性がいる。幼いころから特有の家訓に沿って生活を強いられた経緯がある。母親は子
育てより家業に組み込まれて十分に子どもの面倒を見ることができなかったというが,母親も父親も子ども
の弱いところに手を届かせることができず,むしろ自分の感情に任せた信念や考えに子どもを付き合わせて
いたところがある。小学生のころは,感情が死んだような子どもであったが,中学生になって不良気味の友
だちW君を得て,そうした仲聞との交際が増えたという。その一方でいじめその他の修羅場を経験もした。
その背後に,父親のどちらかというと暴力的な体質が美化されていたところがあることを忘れてはならな
い。そのため,空手その他の訓練に余念がなかった。しかし,本人は本質的に暴力的体質ではないが故に,
高校に入るとその仲間とも離れ,おとなしい生徒になったが,大学はー家の跡取りということもあって母
親の強力な思い入れにより名の通った大学進学を強いられ,地方都市の分校に入らされることになった。そ
こで破綻をきたして帰省するが,親の更なる大学進学志向性に反応して家庭内暴力を起こすようになって精
神科を受診することとなった。
この患者は,受診して間もなくは,もっぱら自己を鍛えることが自分を強くすることだと考え,一日の大
半を,身体訓練に費やし,社会との断絶を埋め合わせるぺくアルバイトに励むが,ちょっとした周囲との行き
違いから破綻をきたしては引きこもる特徴があった。
ところが,一人住まいをはじめてトレーニングジムに通うようになったころから友だちを得て,元気になっ
た。そこで,得意な釣りその他で出かけることが多くなったが,TVの買い直しの話で母親と折り合いがつ
かなかったことから,これまで頼りにしていた母親に怒り発し,セカンドハウスヘ追放してしまった。そし
て,治療に通う以外はまったくの引きこもり状態となった。患者はここで社会に出るためには,うまくいっ