X



煙草にアンパンマンを印刷したら喫煙率下がるだろ [無断転載禁止]©2ch.net
レス数が1000を超えています。これ以上書き込みはできません。
0001774mgさん
垢版 |
2016/03/27(日) 19:38:41.61ID:oq1nxI/1
なんでやらないのか謎
0900774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:51:44.04ID:uwhjXa2E
父はこう云いかけると、急にまた枕から頭を擡げて、耳を澄ますようなけはいをさせた。
0901774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:51:59.70ID:uwhjXa2E
お母さんがちょいと、――」
0902774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:52:15.53ID:uwhjXa2E
今度は梯子の中段から、お絹が忍びやかに声をかけた。
0903774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:52:31.22ID:uwhjXa2E
慎太郎は掻巻きを刎ねのけた。
0904774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:52:46.86ID:uwhjXa2E
「お前は起きなくっても好いよ。
0905774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:53:02.65ID:uwhjXa2E
何かありゃすぐに呼びに来るから。」
0906774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:53:18.47ID:uwhjXa2E
父はさっさとお絹の後から、もう一度梯子を下りて行った。
0907774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:53:34.21ID:uwhjXa2E
慎太郎は床の上に、しばらくあぐらをかいていたが、やがて立ち上って電燈をともした。
0908774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:53:49.97ID:uwhjXa2E
それからまた坐ったまま、電燈の眩しい光の中に、茫然とあたりを眺め廻した。
0909774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:54:05.73ID:uwhjXa2E
母が父を呼びによこすのは、用があるなしに関らず、実はただ父に床の側へ来ていて貰いたいせいかも知れない。――
0910774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:54:21.52ID:uwhjXa2E
そんな事もふと思われるのだった。
0911774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:54:37.27ID:uwhjXa2E
すると字を書いた罫紙が一枚、机の下に落ちているのが偶然彼の眼を捉えた。
0912774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:54:53.05ID:uwhjXa2E
彼は何気なくそれを取り上げた。
0913774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:55:08.69ID:uwhjXa2E
後は洋一の歌になっていた。
0914774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:55:24.48ID:uwhjXa2E
慎太郎はその罫紙を抛り出すと、両手を頭の後に廻しながら、蒲団の上へ仰向けになった。
0915774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:55:40.12ID:uwhjXa2E
そうして一瞬間、眼の涼しい美津の顔をありあり思い浮べた。…………
0916774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:55:55.88ID:uwhjXa2E
慎太郎がふと眼をさますと、もう窓の戸の隙間も薄白くなった二階には、姉のお絹と賢造とが何か小声に話していた。
0917774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:56:11.52ID:uwhjXa2E
彼はすぐに飛び起きた。
0918774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:56:27.18ID:uwhjXa2E
「よし、よし、じゃお前は寝た方が好いよ。」
0919774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:56:42.80ID:uwhjXa2E
賢造はお絹にこう云ったなり、忙しそうに梯子を下りて行った。
0920774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:56:58.56ID:uwhjXa2E
窓の外では屋根瓦に、滝の落ちるような音がしていた。
0921774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:57:14.32ID:uwhjXa2E
慎太郎はそう思いながら、早速寝間着を着換えにかかった。
0922774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:57:30.09ID:uwhjXa2E
すると帯を解いていたお絹が、やや皮肉に彼へ声をかけた。
0923774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:57:46.20ID:uwhjXa2E
「お早う、お母さんは?」
0924774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:58:01.99ID:uwhjXa2E
「昨夜はずっと苦しみ通し。――」
0925774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:58:17.64ID:uwhjXa2E
「自分じゃよく寝たって云うんだけれど、何だか側で見ていたんじゃ、五分もほんとうに寝なかったようだわ。
0926774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:58:33.42ID:uwhjXa2E
そうしちゃ妙な事云って、――
0927774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:58:49.20ID:uwhjXa2E
私夜中に気味が悪くなってしまった。」
0928774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:59:04.97ID:uwhjXa2E
もう着換えのすんだ慎太郎は、梯子の上り口に佇んでいた。
0929774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:59:20.72ID:uwhjXa2E
そこから見える台所のさきには、美津が裾を端折ったまま、雑巾か何かかけている。――
0930774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:59:36.52ID:uwhjXa2E
それが彼等の話し声がすると、急に端折っていた裾を下した。
0931774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 05:59:52.15ID:uwhjXa2E
彼は真鍮の手すりへ手をやったなり、何だかそこへ下りて行くのが憚られるような心もちがした。
0932774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:00:07.92ID:uwhjXa2E
「妙な事ってどんな事を?」
0933774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:00:23.60ID:uwhjXa2E
半ダアスは六枚じゃないかなんて。」
0934774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:00:39.40ID:uwhjXa2E
「頭が少しどうかしているんだね。――
0935774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:00:55.17ID:uwhjXa2E
「今は戸沢さんが来ているわ。」
0936774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:01:10.84ID:uwhjXa2E
慎太郎は美津がいなくなってから、ゆっくり梯子を下りて行った。
0937774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:01:26.50ID:uwhjXa2E
五分の後、彼が病室へ来て見ると、戸沢はちょうどジキタミンの注射をすませた所だった。
0938774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:01:42.35ID:uwhjXa2E
母は枕もとの看護婦に、後の手当をして貰いながら、昨夜父が云った通り、絶えず白い括り枕の上に、櫛巻きの頭を動かしていた。
0939774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:01:58.16ID:uwhjXa2E
戸沢の側に坐っていた父は声高に母へそう云ってから、彼にちょいと目くばせをした。
0940774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:02:13.80ID:uwhjXa2E
彼は父とは反対に、戸沢の向う側へ腰を下した。
0941774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:02:29.47ID:uwhjXa2E
そこには洋一が腕組みをしたまま、ぼんやり母の顔を見守っていた。
0942774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:02:45.26ID:uwhjXa2E
「手を握っておやり。」
0943774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:03:01.32ID:uwhjXa2E
慎太郎は父の云いつけ通り、両手の掌に母の手を抑えた。
0944774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:03:17.09ID:uwhjXa2E
母の手は冷たい脂汗に、気味悪くじっとり沾っていた。
0945774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:03:32.87ID:uwhjXa2E
母は彼の顔を見ると、頷くような眼を見せたが、すぐにその眼を戸沢へやって、
0946774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:03:48.50ID:uwhjXa2E
もういけないんでしょう。
0947774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:04:04.27ID:uwhjXa2E
手がしびれて来たようですから。」と云った。
0948774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:04:19.92ID:uwhjXa2E
「いや、そんな事はありません。
0949774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:04:35.73ID:uwhjXa2E
もう二三日の辛棒です。」
0950774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:04:51.51ID:uwhjXa2E
戸沢は手を洗っていた。
0951774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:05:07.26ID:uwhjXa2E
「じきに楽になりますよ。――
0952774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:05:23.02ID:uwhjXa2E
おお、いろいろな物が並んでいますな。」
0953774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:05:38.67ID:uwhjXa2E
母の枕もとの盆の上には、大神宮や氏神の御札が、柴又の帝釈の御影なぞと一しょに、並べ切れないほど並べてある。――
0954774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:05:54.35ID:uwhjXa2E
母は上眼にその盆を見ながら、喘ぐように切れ切れな返事をした。
0955774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:06:10.10ID:uwhjXa2E
「昨夜、あんまり、苦しかったものですから、――
0956774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:06:25.86ID:uwhjXa2E
それでも今朝は、お肚の痛みだけは、ずっと楽になりました。――」
0957774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:06:41.63ID:uwhjXa2E
父は小声に看護婦へ云った。
0958774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:06:57.42ID:uwhjXa2E
「少し舌がつれるようですね。」
0959774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:07:13.18ID:uwhjXa2E
「口が御粘りになるんでしょう。――
0960774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:07:28.94ID:uwhjXa2E
これで水をさし上げて下さい。」
0961774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:07:44.72ID:uwhjXa2E
慎太郎は看護婦の手から、水に浸した筆を受け取って、二三度母の口をしめした。
0962774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:08:00.49ID:uwhjXa2E
母は筆に舌を搦んで、乏しい水を吸うようにした。
0963774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:08:16.26ID:uwhjXa2E
「じゃまた上りますからね、御心配な事はちっともありませんよ。」
0964774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:08:31.90ID:uwhjXa2E
戸沢は鞄の始末をすると、母の方へこう大声に云った。
0965774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:08:47.66ID:uwhjXa2E
それから看護婦を見返りながら、
0966774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:09:03.43ID:uwhjXa2E
「じゃ十時頃にも一度、残りを注射して上げて下さい。」と云った。
0967774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:09:19.09ID:uwhjXa2E
看護婦は口の内で返事をしたぎり、何か不服そうな顔をしていた。
0968774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:09:34.90ID:uwhjXa2E
慎太郎と父とは病室の外へ、戸沢の帰るのを送って行った。
0969774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:09:50.75ID:uwhjXa2E
次の間には今朝も叔母が一人気抜けがしたように坐っている、――
0970774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:10:06.42ID:uwhjXa2E
戸沢はその前を通る時、叮嚀な叔母の挨拶に無造作な目礼を返しながら、後に従った慎太郎へ、
0971774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:10:22.20ID:uwhjXa2E
受験準備は。」と話しかけた。
0972774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:10:37.95ID:uwhjXa2E
が、たちまち間違いに気がつくと、不快なほど快活に笑いだした。
0973774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:10:53.82ID:uwhjXa2E
弟さんだとばかり思ったもんですから、――」
0974774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:11:09.62ID:uwhjXa2E
「この頃は弟さんに御眼にかかると、いつも試験の話ばかりです。
0975774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:11:25.38ID:uwhjXa2E
やはり宅の忰なんぞが受験準備をしているせいですな。――」
0976774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:11:41.14ID:uwhjXa2E
戸沢は台所を通り抜ける時も、やはりにやにや笑っていた。
0977774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:11:56.77ID:uwhjXa2E
医者が雨の中を帰った後、慎太郎は父を店に残して、急ぎ足に茶の間へ引き返した。
0978774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:12:12.53ID:uwhjXa2E
茶の間には今度は叔母の側に、洋一が巻煙草を啣えていた。
0979774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:12:28.29ID:uwhjXa2E
慎太郎はしゃがむように、長火鉢の縁へ膝を当てた。
0980774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:12:43.97ID:uwhjXa2E
「姉さんはもう寝ているぜ。
0981774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:12:59.74ID:uwhjXa2E
お前も今の内に二階へ行って、早く一寝入りして来いよ。」
0982774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:13:15.50ID:uwhjXa2E
昨夜夜っぴて煙草ばかり呑んでいたもんだから、すっかり舌が荒れてしまった。」
0983774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:13:31.26ID:uwhjXa2E
洋一は陰気な顔をして、まだ長い吸いさしをやけに火鉢へ抛りこんだ。
0984774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:13:47.00ID:uwhjXa2E
「でもお母さんが唸らなくなったから好いや。」
0985774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:14:02.74ID:uwhjXa2E
「ちっとは楽になったと見えるねえ。」
0986774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:14:18.52ID:uwhjXa2E
叔母は母の懐炉に入れる懐炉灰を焼きつけていた。
0987774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:14:34.30ID:uwhjXa2E
「四時までは苦しかったようですがね。」
0988774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:14:49.97ID:uwhjXa2E
そこへ松が台所から、銀杏返しのほつれた顔を出した。
0989774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:15:05.72ID:uwhjXa2E
旦那様がちょいと御店へ、いらして下さいっておっしゃっています。」
0990774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:15:21.49ID:uwhjXa2E
「はい、はい、今行きます。」
0991774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:15:37.25ID:uwhjXa2E
叔母は懐炉を慎太郎へ渡した。
0992774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:15:53.00ID:uwhjXa2E
「じゃ慎ちゃん、お前お母さんを気をつけて上げておくれ。」
0993774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:16:08.78ID:uwhjXa2E
叔母がこう云って出て行くと、洋一も欠伸を噛み殺しながら、やっと重い腰を擡げた。
0994774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:16:24.57ID:uwhjXa2E
「僕も一寝入りして来るかな。」
0995774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:16:40.25ID:uwhjXa2E
慎太郎は一人になってから、懐炉を膝に載せたまま、じっと何かを考えようとした。
0996774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:16:56.00ID:uwhjXa2E
が、何を考えるのだか、彼自身にもはっきりしなかった。
0997774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:17:11.77ID:uwhjXa2E
ただ凄まじい雨の音が、見えない屋根の空を満している、――
0998774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:17:27.55ID:uwhjXa2E
それだけが頭に拡がっていた。
0999774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:17:43.20ID:uwhjXa2E
すると突然次の間から、慌しく看護婦が駆けこんで来た。
1000774mgさん
垢版 |
2018/03/11(日) 06:17:59.09ID:uwhjXa2E
「どなたかいらしって下さいましよ。
レス数が1000を超えています。これ以上書き込みはできません。

ニューススポーツなんでも実況