クルーズ船誘致へ関門連携 国内トップの博多港に対抗 中国で合同セミナーなど
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関門海峡を挟んで向かい合う北九州市と山口県下関市が、クルーズ船の誘致に向けて連携を強めている
。2017年のクルーズ船寄港回数は北九州港が34回、下関港が57回でいずれも過去最多だったが
、326回で3年連続国内トップの博多港(福岡市)に大きく引き離されている。北九州、下関両市に
寄港するクルーズ船のツアーは両市を周遊するケースが大半で、「足りない点を補完でき、相乗効果が大
きい」と判断。合同セミナーなど県境を越えたタッグを組み、博多港に対抗する構えだ。北九州市と
下関市は観光資源に恵まれており、お城や温泉もあります」昨年11月、両市が中国・上海市で船会社
や旅行会社の担当者約70人を対象に開いた初の合同セミナー。両市の担当者は関門海峡の両岸に、
門司港レトロ地区や赤間神宮(下関市)など観光地が集まっていることを紹介した。出席者の関心は高く
、「会社に来て詳しく説明してほしい」と声が掛かり、3泊4日の予定を1日延ばした。両市のPR
ポイントは、90分圏内にクルーズ船が接岸できる岸壁が4カ所あることだ。関門海峡に面する門司港(
門司区)とあるかぽーと(下関市)は5万トン未満の船が寄港可能。ひびきコンテナターミナル(HCT
、若松区)は16万トン級まで、長州出島(下関市)は13万トン級まで接岸できる。下関市によると
、長州出島は岸壁の延伸工事を進めており、4月から世界最大級の22万トン級まで寄港できるように
なるという。両市の連携は、HCTと長州出島が貨物港でクルーズ船が接岸できる日数がそれぞれ週2日
、週4日に限られていることが後押しした。博多港にはクルーズ船が接岸できる岸壁が3カ所あり、
北九州市の担当者は「単独で誘致しても博多港に対抗できない。HCTに入れないときは長州出島を
紹介するなど、協力する必要がある」と強調した。追い風も吹く。北九州市では昨年7月、全国で
免税店を展開するJTC(福岡市)が小倉北区のJR小倉駅北側に出店。ラオックス(東京)も同区の
リバーウォーク北九州に免税店の出店を計画する。北九州と下関の両市は今後、関門の観光地を紹介
するDVDを制作する予定。上海と並ぶ中国のクルーズ拠点・天津市での合同セミナー開催も
検討している。