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妊婦の血液でダウン症の有無など胎児の染色体異常を調べる「新出生前診断」で、
施設要件を開業医などに大幅緩和する方針を日本産科婦人科学会が打ち出したことに対し、
京都ダウン症児を育てる親の会が「命を選別しないで」と、強く抗議している。
17日に親の会などが、問題点を考えるシンポジウム「出生前診断とゲノム編集 命のはじまりへの介入反対」を京都市北区で開く。
 佐々木和子さん=左京区=は1982年、長男元治さんを出産した。ダウン症の元治さんはいま36歳。
夢だった一人暮らしを介助者の支援を受けながら、昨年から京都市内で実現している。
お金の計算など苦手なことはあるが、買い物に行き、洗濯機を回し、好きな音楽を聴く。
 和子さんたち親の会は1996年から、出生前診断への反対を訴えてきた。
「私は息子の生きる真剣さに心を打たれてきた。ダウン症の子どもを産んでよかったとの思いを、親の会はずっと社会に訴えてきた」と話す。
厚労省研究班の調査でも「ダウン症のある人の92%が幸せ」と感じているという。
 「出生前診断は残酷。中絶したカップルは、命を粗末にしたことをトラウマ(心的外傷)として生きていかねばならない。
要件緩和は『検査を受けやすくしました、障害を理由に中絶してもいいですよ』と言っているようにしか見えない。
これでは学会が差別を助長している」と佐々木さんは訴える。
 シンポジウムでは、「優生思想とゲノム編集」についてジャーナリスト天笠啓祐さんが報告するほか、
障害当事者の岡田健司さん、脳外科医の山口研一郎さんらが討議する。午後1時から、京都市北いきいき市民活動センターで。資料代800円。

インドネシア中部スラウェシ島のマナド郊外、トンダノにある同国唯一のシナゴーグ(ユダヤ教寺院)で取材に応じるラビ(ユダヤ教指導者)のヤコブ・バルク師(2019年3月4日撮影)
ヤコブ・バルク(Yaakov Baruch)師は、インドネシアにある唯一のシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)のラビ(ユダヤ教指導者)だ。
 だが、インドネシアで極めて少数派の他のユダヤ人と同様、バルク師も自らの宗教的アイデンティティーをあらわにはしていない。数年前、妊娠中だった妻と一緒にショッピングモールを歩いていたとき、男たちの一団に「狂ったユダヤ人」
と呼ばれ、殺すと脅された。以来、ユダヤ教徒の伝統的な帽子「キッパ」の着用は控えめにしている。
 人口2億6000万人のインドネシアは、世界最多のイスラム教徒人口を抱える。そこに暮らすユダヤ教徒の数は、わずか200人前後の推定されており、その間でバルク師と同様の懸念が広がっている。
 同国中部スラウェシ(Sulawesi)島のマナド(Manado)は、インドネシアのユダヤ教徒が残る数少ない場所の一つだ。第2次世界大戦(World War II)前には数千人がいたとされる同国のユダヤ教徒の大半は、欧州やイラクから来た貿易商たちの子孫だ。
 マナドの南方約20キロに位置するトンダノ(Tondano)近郊にある質素なシナゴーグが、バルク師が定期的に礼拝を行っている寺院だ。以前はインドネシア第2の都市スラバヤ(Surabaya)にもう一つのシナゴーグがあったが、
イスラム強硬派によって2009年に封鎖され、13年には解体された。今ではインドネシア全体で唯一のシナゴーグが、このトンダノのものだ。
 インドネシアは長らく、イスラム教国の中でも穏健派と言われてきた。しかし近年、声高な強硬派の勢いに押され、より保守的な宗教形態が中心を占めるようになってきた。中東、特にイスラエルとパレスチナ間の緊張がインドネシア
にも飛び火し、宗教的分裂を深めてもいる。
 米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が昨年、イスラエルの米国大使館を係争地となっているエルサレム(Jerusalem)へ移転すると発表した際には、インドネシアの首都ジャカルタでイスラム強硬派が大規模なデモを行った。
「一般的に言って、インドネシア人はユダヤ人とイスラエルを同一視している。そして彼らの宗教、そして国にとって、ユダヤ人もイスラエルも敵だとみなしている」とバルク師は言う。「インドネシアから寛容さが消えつつあることは否定できない」