巣箱を掛けた桜の木の下で草むしりをしていたら、小さな青虫を咥えた♂がやってきた。
少し離れた枝に留まってしきりに警戒音を出している。
「見てないから安心して入りなさいよ」と下を向いて草取りを続けるが、警戒音を続けていっこうに巣に入らない。
仕方がないから、木の下を離れて様子を窺っていると、弾丸のように巣穴に飛び込んだ。
「ぜぇぜぇ。怪しいオヤジが木の下にいたぞ。なんとか巻いてやったが、ここを感づかれないよう気をつけろ」
とか言ってるに違いない。
----あのぉ……シジュウカラさん。その巣箱掛けたのボクなんですけどね