ペルーのメディアによると、歴史的接戦となった同国大統領選決選投票は9日、クチンスキ元首相(77)が勝利し、アルベルト・フジモリ元大統領(77)の長女、ケイコ・フジモリ氏(41)の敗北が確実となった。

クチンスキ氏は「全てのペルー人のために働く」と勝利宣言した。

選管発表によると、開票率100%でクチンスキ氏の得票率が50・12%、フジモリ氏が49・88%。票差は約4万1000だった。

選管とは別の審査機関が疑問票などを精査中だが結果は覆らない見通し。フジモリ氏は9日「辛抱強く(最終結果を)待つ」と述べた。

選挙戦では1990〜2000年の在任中、貧しい人々の生活改善に貢献した一方で、強権的政治を行い、人権侵害事件で禁錮刑に服している元大統領に対する評価が主な争点になった。

貧困層が支持基盤のフジモリ氏は、4月の第1回投票で首位となった。しかし決選投票では、富裕層や経済界に加え、反フジモリ派の強い後押しを受けたクチンスキ氏が票を伸ばした。

クチンスキ氏は米英の大学で学び、世界銀行などでの勤務を経て、経済・財務相や首相を歴任。

父親はユダヤ系のドイツ人でナチスの台頭を逃れてペルーに来た医師で、母親は映画監督ジャンリュック・ゴダール氏のおばに当たるフランス系の教師だ。

米国人妻ナンシーさんは米女優ジェシカ・ラングのいとこ。 

ZAKZAK 2016.06.10 (共同)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160610/frn1606101203003-n1.htm